忍者ブログ
いわゆる一つの萌え要素の為の場所
[2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 雨が降っている。それほど強くはないが、家の中にいてもわかるほどの雨粒が天空(そら)から降り注いでいる。雨粒を落としている雲は視えない。天空(そら)は暗黒が支配しているからだ。闇が天空(そら)の雨雲を覆い隠しているのだ。
 ――――中くさいことを考えてしまった。が、やはりまだ中っぽさを作りきれていない。雲や雨にもルビを与えたかったところだが、何も思いつかなかった。「くも」という音から多眼の凶虫、バウを思い出してしまったくらいだ。
 夜に雨が降り出したので気障ったらしく言おうとしたが、まだまだなようだ。それに言ったところで誰も聞いてはくれまい。対面でプロ野球の某名監督が書いた本を読んでいる娘に言ったら、可哀想な目で見るくらいだろうか。それとも適当に相槌を打つくらいの気概を見せてくれるだろうか。そんなことを考えつつぼんやりと見ていたらその娘、璃緒から話しかけてきた。
 「緑崩、それ何?」
 読んでいる本を指差して尋ねた。
 「六韜」
 正確にはその和訳本だ。漢文を読む能力は備わってはいない。
 「珍しいわね、六韜だけ書いた本なんて。普通ないでしょ」 ※
 「ああ、古本屋で見つけてね。珍しいからついつい買ってしまった」
 「私にも後で読ませてね」
 あいわかった、とうなづいてから本に視線を戻した。六韜の全文を見るのは初めてだったので早く続きがよみたかった。
 本の続きが気になるのは璃緒も同じのようだ。話が済むとすぐに視線を本に戻していた。
 しばらく二人とも無言で本を読んでいた。ふいに璃緒が思いついたかのように口を開いた。
 「そろそろ瑠奈が出てくる頃かしらね」
 瑠奈は今風呂に入っている。フルから出てくる頃だということだ。刑務所(ムショ)から出て(お勤めを果たして)くるのではない。ちなみに、瑠奈とはこの家の住人の一人である。二次元の住人ではない。ということは断定しがたい。ネットの住人であることと同じくらい否定しがたいのだ。
 「そろそろかな。風呂、出たら入ろうかな」
 きいぃぃ・・・ばたん。
 風呂のほうから扉が開いて閉まる音が聞こえた。瑠奈が出たのだろう。話のタイミングぴったりに出てきて思わず璃緒と顔を見合わせた。
 「きゃ~っ」
 叫び声が聞こえた。この緊迫感のわかない叫び声は瑠奈のものだ。
 「璃緒ちゃーん、りょっくーん」
 瑠奈が呼んでいるようだ。璃緒に目で合図する。なにがあったかはわからないが、とりあえず脱衣所に向かった。
PR
璃緒:「この前のチベットでの暴動って実際どうなの?一応多少はわかるんじゃないの?」
緑崩:「それがなぁ・・・・・・まあなんというか、なんとも言えないのだ」
璃緒:「わかんないの?」
緑崩:「チベットについての勉強なんてしたことないしなぁ。あ、一回だけチベットに関する講義を聴いたかなぁ・・・多少文化に触れて漢民族が入ってきてとかしか覚えてないや。元々チベットだけの授業じゃなかったし」
璃緒:「ふーん。緑崩に聞くほうが他に誰かに聞くよりもいいかと思って聞いてみたんだけど、そんなもんなのね」
緑崩:「この前の暴動についても、結局わからないことだらけだしな。さすがに日本でぼんやりニュースみてるだけじゃなかなかねぇ。とりあえず、チベットの住民全てに共産党に不満を持ってるか、とか独立したいか、って聞いてみたいさね。今度の暴動は僧侶が中心らしいじゃん。仏教国・・・まぁ国じゃないんだけど・・・のチベットでは僧侶なんて特権階級って言ったら語弊があるかもしれないけど、大衆よりは上の身分だから。ウィキペディアにも載ってるけど、以前は奴隷制で、共産党が入って奴隷解放したって過去もあるからね、ホントの民意がどうなのかってのがわからないと何も言いようがない」
璃緒:「人権問題とか文化の破壊なんてのは?」
緑崩:「最近は随分文化の保護って方向になりつつあるんじゃないかなぁ。文化大革命があったからそれでかなり破壊されてるらしいけどね。ただ、それは中国全土で同じことだし・・・・・・人権問題についてはよくわからない。ただ、少数民族にそれほど厳しいことをやってるって印象は受けないかなぁ。勿論実態は知らないけどね。多少少数民族に優遇があるらしいし。まあ中国の一部と捉えるかチベットはチベット人の国だって思うかで見方がかなり違ってくるわな。どっちなのかなんてわっちにはわかりゃせぬ」
璃緒:「難しいわね・・・・・・」
緑崩:「複雑だよう中国は。あちこちに自治区があるし、経済システムも複雑だし、戸籍とか色々取り上げたらきりがないわ。日本はこんなにシンプルな国のになんでやたら複雑な法律やら制度ができるのか聞きたいよ」
璃緒:「それは同感ね。暫定が何十年も続くとか色々不可思議なことが起こってるわね」
緑崩:「うぅう゛う゛ぅぅぅー・・・鼻がむずむずするぅ」
璃緒:「花粉症?スギの季節はもう過ぎたわよ?」
緑崩:「そんなギャグはいらない・・・たぶん土手の草花がいけないんだと思うが」
瑠奈:「あんまり関係ないと思うんだけどな~」
緑崩:「いやいや、こういうのに弱くって。以前グラウンドで野球やってても結構きて練習どころじゃなくなったし、最近は通学が苦痛で」
瑠奈:「早口言葉だ~」
璃緒:「いや、そんなにつらいなら道を変えればいいじゃない。なにも土手の上走らなければ大丈夫なんでしょ?」
緑崩:「それが、何故かついつい土手の上走ってるんだよなぁ。それで電車の中で悶え苦しむことに。ここにいるすずめとかは花粉症にならないんだろうかって考えてしまうよ」
璃緒:「そんなこと考える前に道を考えなさいよ・・・・・・」
緑崩:「そういえばバイトに行く途中で駐車場があったんだ。『前向き駐車』って書いてあって違う想像をしてしまった」
璃緒:「どんな?」
緑崩:「なんかきっと、こうポジティヴに駐車するのかなぁて」
瑠奈:「あっ!ちょっと後ろの壁壊しちゃった。うん、でも次は失敗しないぞ。みたいな?」
緑崩:「うん、そんな感じ」
璃緒:「いやいや壊しちゃまずいでしょうが」

これで残るは百足のみだ。その百足ももう半分くらいは倒しているのでそれほど大変ではないだろう。

ある程度距離も離れている。要領はもう掴んでいる。頭を狙い、トリガーを引く。たとえ頭を外したとしても、この数で分裂されても怖くない。おそらく包囲を抜け出しただろうから、もう敵はいないだろう。

酸を避けて撃つ。

瓦礫に身を潜めて撃つ。

建物を壁にして撃つ。

残りは三体だ。酸を避けながら残りを数えた。

正面から近づいてくる。頭を撃ちぬき弾を込める。

残るは二匹。ライサンダーで再び撃つ。

命中。

残り一匹だ。

しかし、弾込めの間に接近を許してしまった。

しまった。慌てて回避する。

キュルルーキュルルー。

酸が飛ぶ音の代わりに聞こえてきたのはドラゴン・センチピードの鳴き声だった。単体の時にしか彼らは鳴かない。その鳴き声は、どこか寂しそうで、悲しげだ。仲間のいない寂しさで泣いているのか、仲間のことを思って泣いているのか。それとも、自らの死を怖れているのか。いや、そのどれでもないのかもしれない。

そんなことを考えていたためか、構えることすら忘れていた。

だが、相手も全く動かない。お互いに睨み合ったままだ。

いや、こちらも向こうも睨んでいるわけではない。見合ったままなにも行動を起こさないでいるだけだ。なにを考えているのだろうか。なぜなにもしないのだろう。

首を差し出しているのか。仲間は全てやられ、勝ち目はない。無駄に足掻かずにひとおもいに殺して欲しいのかもしれない。一匹残されるよりは仲間の元に行ったほうがいいと思ったのかもしれない。単にあきらめただけかもしれない。

いずれにしろ、一匹だけ残して撤退するわけにもいかない。

照準気を使う距離じゃない。肉眼で狙いを定めトリガーに指をかける。

微動だにしないドラゴン・センチピード。

「よく・・・戦った」

ライサンダーの引き金を引いた。

 

「市街地上空に浮遊都市出現」

無線通信でそう伝えられた。かなりの軍団を相手にし、壊滅させてきた。日本支部に残る戦力も残りわずかだが、相手の戦力もそろそろ枯渇してきただろう。おそらく次が雌雄を決する戦いになるはずだ。急いで現地に到達しなければならない。

だが、その前に、装備を整え弾薬を補充せねばならない。

自らの命を助け、勝利をもたらしたバイクに乗り込み、基地へと向けて走った。

 蜘蛛と近衛兵を退けた俺を待ち受けていたのは更なる脅威、敵の大軍だった。20近くの空爆兵器、インペリアル・ボマーと巨大な蜘蛛の形をした巨大生物バウ・ロード。そして戦車ダロガ三台に巨大生物ドラゴン・センチピードの結合体だ。数はさきほどよりも少ないが、厄介な敵が多い。だが、幸運だったのは、バイクで走りながら戦っていたために、敵の包囲網を脱げ出せていたことだ。囲まれた状態ではなく、敵が全て正面にいる。そして、バイクがある。絶対的な包囲網も殆ど破れているといえるかもしれない。もっとも、本部が陥落し味方部隊もほぼ壊滅状態だという事実は変わってはいないが。

 迫り来るボマーをライサンダーで狙い撃ちにする。接近されない限りは攻撃能力を持たないので、遠距離においては的のようなものだ。

 だが、ボマーのスピードは速い。あっという間に接近され、プラズマ弾を落とす準備をしている。

 急いでSDL2に乗り込みボマーの真下に入らないように距離を取る。ライサンダーで再びボマーの撃墜し、弾を込める。

しかし、百足の酸が迫ってくる。一つひとつの破壊力は高くはないが、これだけの量だ。まともにくらえばただでは済まないし、命綱であるSDL2を破壊されかねない。

慌ててバイクに乗り込み、走る。ある程度距離を取ったところで、前方にビルが見えた。これは都合がいい。強力な酸もビルで防ぐことができる。

バイクをビルの陰に隠し近づいてくるボマーを一機ずつ落とす。二機撃墜したらバイクで距離を取る。そしてまたビル陰からボマーを近づかれるまで狙撃する。この間歩行能力の低いダロガは視界に入りもしない。大蜘蛛の射程距離に入ることと百足の酸に気をつければ危険はそれほどない。時間がかかっても少しずつボマーを落とし、大蜘蛛を倒していけばいい。

ボマーを落とし、大蜘蛛を退けた時、丁度ダロガが視界に入った。三機固まっている。距離は十分だ。ダロガは近接戦闘ではかなりの火力を持つが、遠距離攻撃はほぼ皆無。俺や他のEDF隊員が全力で走るよりも遅いので、近づかれる心配も少ない。これだけの距離があれば的といっても過言ではなかった。

冷静に、そして酸に気をつけながら、一機ずつ撃破する。

二機目を撃破した時、百足が迫っていた。仕方ない、ダロガの破壊を中断しバイクで距離を取る。百足の酸は遠くまで飛ぶが、遠いだけ命中精度は下がる。距離を取って、先に百足の掃討をしよう。

落ち着いて頭を狙う。先頭のドラゴン・センチピードから狙っていけば分裂されることはない。ここからはSDL2も御役御免だ。近づかれる前に頭を撃つ。百足はよがって距離を取れる。酸はひたすら走り続けていれば当たらない。当たりそうになったものだけ避ければいい。

三分くらいそうして撃ち合った。だが、敵が随分近づいてきてしまった。近ければ近いほどあの酸の命中精度は高くなる。それに、長い体で囲まれてしまっては終わりだ。落ち着いて頭を撃つ。ひるんだところにサッカーグレネード。

外れた。下がりながらライサンダーを構え、撃つ。

当たった。だが、ひるんだ拍子で起き上がった体がこちらへ倒れてくる。

急いで左斜め後ろへ逃げる。そして、サッカーグレネード。近いぶん当たり易いだろう。

今度は命中した。爆発の衝撃で後ろへ飛んでいくドラゴン・センチピード。

ひとまず安心だ。遠くで着地したドラゴン・センチピードは右へ走っていく。こちらを見失ったのだろうか。いや、酸は正確にこちらへ飛んでくる。距離を取ったのだろう。こちらも反対へ走りビル陰に身を潜める。

百足は一旦無視してダロガの撃墜を優先させよう。五分以上見向きもしていなかっただろがだが、まだまだダロガの間合いには程遠い。いるのが移動速度の遅いダロガでよかった。同じ歩行戦車でも新型のディロイだったら絶望的だった。

ビル陰に潜みながらダロガを狙撃する。射程外からの狙撃にダロガはなすすべなく破壊された。

カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
緑崩
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]