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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 武術大会への参加を決めた四人は、装備品やアイテムを買うために武具・道具屋に入った。この店は、入り口に入ってすぐのカウンターで武器、防具を販売し、奥のカウンターで道具を販売している。
 薬草など道具はある程度の余裕があったため、武具を優先的に購入することにした。
 この店の主力商品ははがねのつるぎである。これは、サイズや重さが一通り各種揃っている。反対に、レーベの村では鎖の長さと分銅の重さにヴァリエーションのあったくさりがまが、こちらでは長さも分銅の重りも三種類しかなかった。
 そのほか、てつのやり、せいどうのたて、くさりかたびらなどが主な商品である。
 四人は結局、てつのやりを一本買った。
 アリアハン大陸で得たお金では精々どれか一品が限度だったのだが、こんぼうでは頼りないということで、緑崩が装備するものになった。
 四人は今日の予定の話し合いを、店内のカフェテリアで行うことにした。この店には喫茶スペースがあり、座って飲食ができるのだ。
 カウンターへ行って注文をする。カイが、「コーヒーはうまい」と他はダメだということを言外に言った。それを聞いた他の三人もその言葉に従ってコーヒーの中から飲むものを選んだ。カイはエスプレッソで、璃緒と緑崩がカフェマキア-ト、瑠奈はカプチーノにした。二人がカフェマキアートを選んだのは、「エスプレッソに泡立てたミルクをいれたもの」という説明が気になったからだ。瑠奈もカフェマキアートを選ぼうとしたが、「もらえばいいから」という理由で誰も頼んでいないカプチーノにした。
 てつのやりを買った時にもらった、エスプレッソの無料券を提示した。750Gの買い物をしたサービスが、その2000分の1程度の額のエスプレッソ一杯ということに、璃緒と緑崩が疑問を呈した。しかし、どうにもならないことなので、おとなしくテーブル席に着いた。

 「しかし、この装備ではあまりに不安だ」
 買ったばかりのてつのやりをもたげて緑崩が言った。
 「さすがにどうのつるぎじゃこの辺危険」
 現在の装備はカイ、璃緒がどうのつるぎ、緑崩がてつのやり、そして瑠奈がせいなるナイフだ。ロマリア周辺の敵、特にさまようよろいにダメージを与えるには厳しい。防具もその強度を鑑みれば、早急により堅固な装備に変えるべきであることは明らかだった。
 「それはわかるけど・・・」
 「お金がないんだから仕方ないだろう」
 カイと璃緒の言い分ももっともである。現在、四人の持ち金は1003Gだ。はがねのつるぎは1500Gと資金を上回り、買えるのは精々くさりかたびら二領だ。
 「でも~、ここにはお金を増やせるところがあるよね~」
 カイと璃緒の反論に、瑠奈が笑いながら言った。笑いながら、視線は喫茶スペースのすぐ先にある下り階段に向けられている。
 それに気付いている緑崩は、軽く頷いた。緑崩の考えも同じであった。
 「ギャンブルか。あまり賛成できないが」
 「儲からなかったらどうするのよ」
 武術大会の時とは正反対の状況となった。緑崩と瑠奈が賛成し、カイと璃緒が渋っている。
 「儲かればいいんだよ」
 緑崩が言った。
 「自信があるんだ、ギャンブルには。というか、この闘技場には」

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 武術大会について、カイが璃緒に大まかに説明をした。大会の内容・ルール、賞金や副賞などを簡潔に述べた。
 その最中に、同じように二人を探すために中心部である噴水までやってきた緑崩と瑠奈がやってきた。瑠奈がさまようよろいの被り物をつけていたが、璃緒もカイもツッコミをいれることは避けた。
 四人揃ったので、再びカイが武術大会について説明をした。
 「ふんふん、大会が五日後。優勝賞金3000Gは確かに魅力的だけど・・・」
 「お金を稼ぐなら闘技場のほうが効率的かも~」
 緑崩と瑠奈はそれほど乗り気ではなかった。二人共、一対一で戦闘ができるわけではない。僧侶である緑崩も魔法使いである瑠奈も、どちらも前線から一歩引いた後方での戦いしかできないのだ。加えて、対魔物の戦いと対人戦では勝手が全く違う。これからの旅にそれほど役立つとも思えないものを、わざわざそれをやる意義を二人は見出せなかった。
 しかし、璃緒は違った。
 「私は、出たほうがいいと思うんだけど。これから旅を続けていく上で、人との戦いが絶対にないとは言い切れないでしょ?山賊なんかも出るかもしれないし、それに・・・」
 「山賊?!」
 緑崩が声を上げた。山賊という言葉でピンと来たのだ。
 「山賊・・・というか盗賊とは戦わないといけない可能性があるっ・・・きんのかんむりをかけてカンダタと戦うイベントがある・・・っ」
 緑崩の言葉に、我が意を得たりと見た璃緒が言った。
 「それに加えて、これから情報を集めるなら人脈を広げておいたほうがいいじゃない。それには、この大会で結果を出す価値はあると思わない?」
 璃緒が言っているのは、この大会の副賞のことだ。ベスト4に入れば騎士の身分が認められ、優勝すれば王との謁見が認められる。この機会を利用して元の世界に帰る手がかりをつかめないかと、璃緒は考えていた。
 元々、璃緒はカンダタと戦うつもりはなかったが、緑崩を乗り気にさせるために敢えて反対はしなかった。
 「じゃあ、緑崩も出るか?」
 カイが尋ねた。これに緑崩が応えて、
 「よぅし、じゃあ出ようか。剣は刃を潰したもの、槍は穂先を外したもの。大怪我する心配が無い上に、回復魔法の準備も運営が万全にしてあるってことなら心配いらないしな。経験値を稼げば自動的に強くなるこの世界なら!おれだってやれる!」
 突然強気に出る緑崩。むしろ参加に否定的だろうと思っていた璃緒が乗り気であること、そして怪我しても自分で治せるという安心感から、出場を決意した。
 「うし、なら出場登録しにいこうか。大会は五日後、それまでに一対一の特訓だな!」

 緑崩と瑠奈がリゾットをほおばっている頃、カイと璃緒もまた、朝食を食べていた。
 二人がいるのはパスタ料理の露店だ。露店の左側に看板があり、赤い文字で「ジョンのスパゲッティ」と書いてある。ジョンと呼ばれている大柄な男が数種類のスパゲッティを作り、それを販売している露店だ。
 「あら・・・おいしいわね」
 璃緒は皿に盛られたパスタをフォークで巻いて口に運び、ゆっくりと嚥下してからそう言った。璃緒が食べてるのはボンゴレッソという、オリーヴオイルと白ワインでアサリと一緒に蒸したパスタで、この店でも一番の人気商品だ。
 「だろう。それが一番のオススメだ。まあ、ここのパスタはどれもうまいんだがな」
 そういいながらカイもスパゲッティを口に運んだ。カイが食べているのはカルボナーラだ。茹でたスパゲッティの上に融けたチーズとクリームのかけたものだ。
 朝に食べるには少し重そうだなと、璃緒は一目見て思った。だが、カイがおいしそうに食べているので、それを口に出すのは憚られた。その代わりに、
 「そっちのは?カルボナーラおいしい?」
 と、聞くことにした。
 「ああ、このクリームがなんとも絶妙でな。濃すぎず薄すぎず、麺と絡んでうまいんだ」
 だが意外な程に人気がないらしいんだ、とカイは不思議そうに語った。
 それを聞いた璃緒は、ちょっとくどいから特に女性が好まないだろうなと思ったが、口には出さなかった。ただ、「不思議ね」と相槌を打った。
 そんな会話を続けながらスパゲッティを食べていると、不意にカイが璃緒のほうを見て目をしかめた。
 それに気付いた璃緒が、どうかしたかと尋ねるとこう答えた。
 「今どうやって食べたんだ?」
 そう言われた瞬間、璃緒は何を言われているのか全くわからなかった。記憶を巻き戻して思い返す。
 そして、ピンと来た。きちんと巻くのが面倒になって、璃緒は少し行儀が悪いとは重いながらも麺を軽く巻きつけてすすって食べたのだ。
 それを思い出した途端、璃緒が抱いていた疑問は氷解した。同時に、欧米の人がすすって食べられないということも思い出したからだ。
 「えっと・・・さっきすすって食べたことかしら・・・となると説明がすごくむつかしいんだけど・・・」
 璃緒はとても困ってしまった。すするという概念がそもそもなければ、説明することはかなり困難を極める。実際に見せても理解してもらえるとは思い難かった。
 結局、すするということを一生懸命理解してもらおうとはしたものの、璃緒の努力は徒労に終った。カイは理解したようなしてないような、中途半端な表情だった。
 カイは未だ納得しかねる表情だったが、璃緒が食べ終わるのを待って席を立った。そして、皿を返して露店を離れる。
 露店を出たところで、カイは璃緒に尋ねた。
 「それで、これからどうする?」
 「そうねぇ・・・二人と合流しなきゃなんないんだけど、こんな広いところで見つけられるかしら?人が少なければまだ見つけやすいけれど、これだけ人が多いと一苦労ね」
 「そうだな、集合場所でも決めておけばよかったんだがな。今となってはしょうがないが・・・とりあえず広いところへ出るか。そっちのほうが店も多いし見つかる可能性が高いだろう」
 その案には、璃緒も同意した。
 市場は、泉のある広間を中心に放射線状に広がっているので、その広間を目指すことになる。とはいえ、広さで言えば歩いて五分もあれば端から端まで移動できる広さである。それほど時間はかからずに広間に着いた。
 二手に分かれて、泉から周りを見渡した。璃緒はしばらく探したが緑崩と瑠奈を見つけられなかったので、一旦カイと合流した。
 「いた?」
 「いや、こっちにはいなかった。そっちは?」
 「こっちもダメだったわ」
 そんなやり取りの後、また別の場所を探そうと璃緒が歩き出した時、カイがあるものに気付いた。
 「おお、これがやるのか」
 そんなカイの言葉に反応して、璃緒は振り向いた。そして、カイに何を見たのか聞いた。
 「璃緒、ロマリアで一番大きなイベントの一つに武術大会があるんだがな、その開催が近いらしいんだ」

 瑠奈は、緑崩を呼んでからリゾットを二皿欲しいと露店主に告げた。
 商売人らしいにっこりとした微笑と共に、リゾットが差し出される。
 「ほらよ!リゾット二皿でおまけして1Gと5デシだ」
 デシは銀貨で、10分の1ゴールドであり、dと表記される。なので、1Gと5dで15dということになる。
 「じゃあ細かいのないから2Gでお釣りお願いします」
 瑠奈はそういって2Gを渡し、5dのお釣りを受け取る。そして、緑崩にリゾットを渡す。
 「これなんぞ?」
 「リゾット~」
 「食べるなんていってな
 「美味しそうだから食べてみなよ~」
 「ぃ・・・って・・・あ、そう」
 これ以上抗議しても無駄と判断した緑崩は受け取った皿に視線を落とす。
 「確かに美味しそうだな・・・」
 立ち込める湯気に自身の顔を近づけて、その香りをかいだ。
 「オリーブオイルがいい匂いだな・・・よし一口」
 少しフォークにすくって、口に入れる。
 「鯛のカシラを出汁に使っているのかな。オリーブオイルの香りと、魚の出汁がよく合っていて、とってもおいしいです」
 それを見ていた瑠奈も、AD堀君のような感想をスルーして食べ始める。猫舌なので、少しすくってはふぅふぅと吹いて冷ます。
 「あつっ・・・はふ、はふ・・・ん、おいし~」
 「な、おいしいな。瑠奈君よ、グッチョイスだったぞ」
 と緑崩がフォークを持った手でサムアップのサインを送ると、
 「ね~」
 瑠奈は親指と人差し指で円を作って応えた。
 

某クイズ番組収録にて

ナレーター:「胸板、まな板、ベニヤ板。体の一部はどれ?」
あずさ:「え~っと・・・」
チラッ
千早:「!!?」
あずさ:「まな板かしら~」
千早:「くっ」
 

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