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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 雨が降っている。それほど強くはないが、家の中にいてもわかるほどの雨粒が天空(そら)から降り注いでいる。雨粒を落としている雲は視えない。天空(そら)は暗黒が支配しているからだ。闇が天空(そら)の雨雲を覆い隠しているのだ。
 ――――中くさいことを考えてしまった。が、やはりまだ中っぽさを作りきれていない。雲や雨にもルビを与えたかったところだが、何も思いつかなかった。「くも」という音から多眼の凶虫、バウを思い出してしまったくらいだ。
 夜に雨が降り出したので気障ったらしく言おうとしたが、まだまだなようだ。それに言ったところで誰も聞いてはくれまい。対面でプロ野球の某名監督が書いた本を読んでいる娘に言ったら、可哀想な目で見るくらいだろうか。それとも適当に相槌を打つくらいの気概を見せてくれるだろうか。そんなことを考えつつぼんやりと見ていたらその娘、璃緒から話しかけてきた。
 「緑崩、それ何?」
 読んでいる本を指差して尋ねた。
 「六韜」
 正確にはその和訳本だ。漢文を読む能力は備わってはいない。
 「珍しいわね、六韜だけ書いた本なんて。普通ないでしょ」 ※
 「ああ、古本屋で見つけてね。珍しいからついつい買ってしまった」
 「私にも後で読ませてね」
 あいわかった、とうなづいてから本に視線を戻した。六韜の全文を見るのは初めてだったので早く続きがよみたかった。
 本の続きが気になるのは璃緒も同じのようだ。話が済むとすぐに視線を本に戻していた。
 しばらく二人とも無言で本を読んでいた。ふいに璃緒が思いついたかのように口を開いた。
 「そろそろ瑠奈が出てくる頃かしらね」
 瑠奈は今風呂に入っている。フルから出てくる頃だということだ。刑務所(ムショ)から出て(お勤めを果たして)くるのではない。ちなみに、瑠奈とはこの家の住人の一人である。二次元の住人ではない。ということは断定しがたい。ネットの住人であることと同じくらい否定しがたいのだ。
 「そろそろかな。風呂、出たら入ろうかな」
 きいぃぃ・・・ばたん。
 風呂のほうから扉が開いて閉まる音が聞こえた。瑠奈が出たのだろう。話のタイミングぴったりに出てきて思わず璃緒と顔を見合わせた。
 「きゃ~っ」
 叫び声が聞こえた。この緊迫感のわかない叫び声は瑠奈のものだ。
 「璃緒ちゃーん、りょっくーん」
 瑠奈が呼んでいるようだ。璃緒に目で合図する。なにがあったかはわからないが、とりあえず脱衣所に向かった。

 ん、適当に書いていたら長くなりすぎてしまった。起承転結を意識して作りたいって思ったら起承だけですでに一回分くらいできてしまって・・・・・・転の途中で切るのが話の秘訣だと思ってますw
 ※:実際にそんなものがあるのかはわかりません。少なくとも、六韜全文だけを和訳した本なんてあるんだろうか・・・・・・孫子とかのついでに載ってたりしたのは読んだ事があるけれど・・・・・・。
 あ、後編に続きます。
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