いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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ロマリアは海洋国家である。大陸から南に突き出したロマリア半島に位置し、北はカザーブ、海を挟んで南にイシス、西にポルトガ、東はアッサラームがある。ロマリア半島の西岸東岸両岸から獲れる海産物が豊富で、それを使ったロマリア料理は有名である。
「・・・・・・とはいえ、なんでこんなにも早くから市場にいるわけ?」
璃緒は半目でカイをにらみつけた。
カイはそんな璃緒には動じず、
「ロマリアの朝市は有名だからな。朝市で朝食を済ませるのがロマリアの朝の鉄板だ」
誇るように言うカイ。それを見て璃緒は何も言えなくなった。
「眠い~」
「つーかさぁ。今日朝市来る必要あったかなぁ・・・」
後ろを歩く二人がぼやいた。
「言ったろ、ロマリアのいいところを案内してやるって」
「言ったけど~・・・・・・何も遠征後すぐ次の日じゃなくても~」
「脚の疲労が抜けない・・・・・・」
今日はアリアハンから長躯ロマリアまで歩いた翌日である。特に体力のない二人には辛かった。
「あ、緑崩、これおいしそうよ」
璃緒は緑崩を引っ張り露店の料理を見せた。
「おお、マリネか。おいしそうだなぁ・・・なんの魚だろ」
「どれどれ~。ん~ヒラメっぽいね~」
瑠奈が緑崩の肩越しに料理を見て言った。
「あ~、こっちもおいしそ~」
緑崩と瑠奈は露店にある食べ物を選んでいる。
「こっちのもおいしそうだよ~」
「おkおk、どれどれ」
手を振る瑠奈の後を追って緑崩も別の露店へ歩いて行った。
「元気じゃねえか」
「まあ、そんなものよ」
「そんなものか。・・・璃緒はいいのか?朝市見て回らなくて」
少し思案して、璃緒は言った。
「どこかおいしいところ、ある?」
「そうだな、俺がよく食べていた店があるんだが、そこはおいしいな」
「じゃ、そこ食べたいわね」
「よし、じゃあ案内しよう」
「・・・・・・とはいえ、なんでこんなにも早くから市場にいるわけ?」
璃緒は半目でカイをにらみつけた。
カイはそんな璃緒には動じず、
「ロマリアの朝市は有名だからな。朝市で朝食を済ませるのがロマリアの朝の鉄板だ」
誇るように言うカイ。それを見て璃緒は何も言えなくなった。
「眠い~」
「つーかさぁ。今日朝市来る必要あったかなぁ・・・」
後ろを歩く二人がぼやいた。
「言ったろ、ロマリアのいいところを案内してやるって」
「言ったけど~・・・・・・何も遠征後すぐ次の日じゃなくても~」
「脚の疲労が抜けない・・・・・・」
今日はアリアハンから長躯ロマリアまで歩いた翌日である。特に体力のない二人には辛かった。
「あ、緑崩、これおいしそうよ」
璃緒は緑崩を引っ張り露店の料理を見せた。
「おお、マリネか。おいしそうだなぁ・・・なんの魚だろ」
「どれどれ~。ん~ヒラメっぽいね~」
瑠奈が緑崩の肩越しに料理を見て言った。
「あ~、こっちもおいしそ~」
緑崩と瑠奈は露店にある食べ物を選んでいる。
「こっちのもおいしそうだよ~」
「おkおk、どれどれ」
手を振る瑠奈の後を追って緑崩も別の露店へ歩いて行った。
「元気じゃねえか」
「まあ、そんなものよ」
「そんなものか。・・・璃緒はいいのか?朝市見て回らなくて」
少し思案して、璃緒は言った。
「どこかおいしいところ、ある?」
「そうだな、俺がよく食べていた店があるんだが、そこはおいしいな」
「じゃ、そこ食べたいわね」
「よし、じゃあ案内しよう」
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「二人とも~。ちょっと来て~」
瑠奈の呼ぶ声が聞こえてきた。
何かしら?と首をひねる璃緒に、さあ?とこちらも首をひねり返す。
読みかけの小説、ひぐらしのなく頃に解 罪滅ぼし編前編にしおりを挟んで、同じように漢書二巻を閉じた璃緒と共に瑠奈の部屋に入る。
瑠奈の部屋に入ると、瑠奈はパソコンに向かって正座していた。
「何か面白いものでもあった?」
瑠奈がパソコンに向かっていて、自分たちを呼んだ。何かネットで見つけたのだろうことは明白だった。璃緒と共に座布団を二つ、瑠奈の後ろに並べて座る。
「これ面白いから見てみて~」
そう言われて画面を覗き込んだ。
「なんでもポケモン図鑑・・・?」
先頭に書いてある字を璃緒が読み上げた。
気泡のような装飾のある白い背景に青紫色の長方形が浮かび上がっている。その中の太字を読み上げた。
「NO.679 瑠奈?」
更に、その下に「おしゃべりポケモン」と書いてある。以下は説明のようだ。
「えーっと・・・・・・うしろあしで たつようになり たかい ちのうをえた。瑠奈の ふしぎなちからで おじさんたちが つれさられる じけんが おきた。・・・・・・だって。瑠奈、あなたたかいちのうを得たらしいわよ」
「それよりも、ふしぎなちからでおじさんたちが連れ去られるってwwお持ち帰りぃ~☆ってかww」
「はぅ、なんでおじさんなのかな?かな?」
とりあえず瑠奈の頭を一発はたく。
「うう・・・何する~」
「いらっとしたんだ。仕方ないね」
仕方ないね、この言葉によって瑠奈は言い返せなくなったようだ。仕方ないね。
「むう。じゃあ次緑くんで・・・・・・ゲット!だぜ」
瑠奈が「緑崩」と打ち込みクリックする。
結果を見て瑠奈が哄笑する。
「あはははは、でんのうせかいにふういんされちゃった。なんか似合ってる。面白い!」
瑠奈はなおも笑っている。人が電脳世界に封印されたのがそんなに嬉しいのか。
「まあ、封印してくれるのなら喜んで封印されるけど。ただし二次元に限る」
「全くあんたは何を言ってるの・・・・・・ああ、そっちの世界に飛ばされたとしても、『つねにねむってる』らしいわよ。だから何もいいことないかもしれないわね」
しんぞうを動かすためにいつも寝てるってなんなんだ。そもそも「しんぞう」って何だ。「心臓」か?寝続けないt死ぬなんてイヤ過ぎるな。「神像」かもしれない。もしかしたら「晋三」かもしれないが、彼はもう総理じゃないな。
「じゃあ次は璃緒ちゃん~ゲット!だぜ」
「ねこポケモンなのに(ひこう)と(いわ)ってなんだよwてか学者は何やったら璃緒になるんだよw」
「なんだか色々矛盾した内容ね。70cm9kgでインド象を飛ばすほど羽ばたけるなんて。緑崩は4m近くもあるみつばちだったし、滅茶苦茶で面白いわね」
だなぁ、と璃緒に相槌を打ちながら画面を見た。画面の前にある瑠奈の体が小刻みに震えている。
「ん?瑠奈、どうかし・・・」
「70cmでネコミミの璃緒ちゃん(;´Д`)ハアハア 」
瑠奈が暴走した。
「え?え?」
「もちつけ、単なる発作だ」
「そ~だ、今度璃緒ちゃんにネコミミ買ってきてあげるよ!絶対似合うから!いいでしょ、決まり~」
「・・・よくない!」
勝手に一人で自己完結した瑠奈に璃緒の脳天チョップ。
こうかはばつぐんだ。
瑠奈の呼ぶ声が聞こえてきた。
何かしら?と首をひねる璃緒に、さあ?とこちらも首をひねり返す。
読みかけの小説、ひぐらしのなく頃に解 罪滅ぼし編前編にしおりを挟んで、同じように漢書二巻を閉じた璃緒と共に瑠奈の部屋に入る。
瑠奈の部屋に入ると、瑠奈はパソコンに向かって正座していた。
「何か面白いものでもあった?」
瑠奈がパソコンに向かっていて、自分たちを呼んだ。何かネットで見つけたのだろうことは明白だった。璃緒と共に座布団を二つ、瑠奈の後ろに並べて座る。
「これ面白いから見てみて~」
そう言われて画面を覗き込んだ。
「なんでもポケモン図鑑・・・?」
先頭に書いてある字を璃緒が読み上げた。
気泡のような装飾のある白い背景に青紫色の長方形が浮かび上がっている。その中の太字を読み上げた。
「NO.679 瑠奈?」
更に、その下に「おしゃべりポケモン」と書いてある。以下は説明のようだ。
「えーっと・・・・・・うしろあしで たつようになり たかい ちのうをえた。瑠奈の ふしぎなちからで おじさんたちが つれさられる じけんが おきた。・・・・・・だって。瑠奈、あなたたかいちのうを得たらしいわよ」
「それよりも、ふしぎなちからでおじさんたちが連れ去られるってwwお持ち帰りぃ~☆ってかww」
「はぅ、なんでおじさんなのかな?かな?」
とりあえず瑠奈の頭を一発はたく。
「うう・・・何する~」
「いらっとしたんだ。仕方ないね」
仕方ないね、この言葉によって瑠奈は言い返せなくなったようだ。仕方ないね。
「むう。じゃあ次緑くんで・・・・・・ゲット!だぜ」
瑠奈が「緑崩」と打ち込みクリックする。
結果を見て瑠奈が哄笑する。
「あはははは、でんのうせかいにふういんされちゃった。なんか似合ってる。面白い!」
瑠奈はなおも笑っている。人が電脳世界に封印されたのがそんなに嬉しいのか。
「まあ、封印してくれるのなら喜んで封印されるけど。ただし二次元に限る」
「全くあんたは何を言ってるの・・・・・・ああ、そっちの世界に飛ばされたとしても、『つねにねむってる』らしいわよ。だから何もいいことないかもしれないわね」
しんぞうを動かすためにいつも寝てるってなんなんだ。そもそも「しんぞう」って何だ。「心臓」か?寝続けないt死ぬなんてイヤ過ぎるな。「神像」かもしれない。もしかしたら「晋三」かもしれないが、彼はもう総理じゃないな。
「じゃあ次は璃緒ちゃん~ゲット!だぜ」
「ねこポケモンなのに(ひこう)と(いわ)ってなんだよwてか学者は何やったら璃緒になるんだよw」
「なんだか色々矛盾した内容ね。70cm9kgでインド象を飛ばすほど羽ばたけるなんて。緑崩は4m近くもあるみつばちだったし、滅茶苦茶で面白いわね」
だなぁ、と璃緒に相槌を打ちながら画面を見た。画面の前にある瑠奈の体が小刻みに震えている。
「ん?瑠奈、どうかし・・・」
「70cmでネコミミの璃緒ちゃん(;´Д`)ハアハア 」
瑠奈が暴走した。
「え?え?」
「もちつけ、単なる発作だ」
「そ~だ、今度璃緒ちゃんにネコミミ買ってきてあげるよ!絶対似合うから!いいでしょ、決まり~」
「・・・よくない!」
勝手に一人で自己完結した瑠奈に璃緒の脳天チョップ。
こうかはばつぐんだ。
「あら、なんか楽しそうね?」
二人で笑っているところに璃緒がやってきた。
「璃緒か・・・・・・」
先の話を思い出したカイの顔がひきしまった。
「カイ、そんな顔してどうしたの?」
「いや・・・・・・」
言葉を濁すカイに代わって緑崩が口を開いた。
「えー、璃緒。昔の話をしてたんだが・・・・・・言ってよかったか?」
緑崩もまた随分ぼかした言い方であったが、璃緒は何のことか察したようだ。
「ああ、そういうことね。・・・まあ今更ダメだったって言っても仕方ないわね」
「まあな」
「気にしないけどね。別に、隠してたわけでもないし。それに、これから先は長いんだし、仲間として知っててもらったほうがいいかもしれないわね」
「おれもそう思ったから話したんだ。どういう人間なのか、お互いに知ってたほうが連係とかでプラスになることもあるだろうからな」
「それで、どういう風に説明したの?」
緑崩が先ほどカイに語った内容を要約した。
「ふぅん。なるほどね」
「んーカイの話もしていいか?」
緑崩の問いにカイはうなずく。
「なぁに?」
「カイはエジンベア出身らしい。んで、国が嫌いで飛び出して来たんだと」
「へぇ。そうだったの」
「厳密に言うと軍に嫌気が差して、だな。軍にいたんだが、牧歌的なところで緊張感がない。『後れた国々なぞ恐るるに足らぬ』とかで大陸の国・・・・・・ロマリアやポルトガに対する警戒を全くしていなかった。武器や戦い方などでも保守的で進歩のないところだった。それで見切りを付けて退役したんだ」
「軍にいたのか。さっきの話じゃそこまで聞いてなかったな」
「悪い、こっちの聞きたいことを優先したからな。ええと、それでその後しばらくして旅に出たんだ。ノアニールからカザーブを通ってロマリアとポルトガを見た。そこで勇者の話を聞いたし、大国アリアハンを見てみようというのもあってアリアハンに行った」
「しかし、何故か勇者以外と旅をすることになった、と」
「ははは、何故か、な」
何故か、が受けたのかカイは声に出して笑った
「それじゃロマリアは詳しいかしら。詳しかったら明日から色々案内してくれないかしら」
「よし。それじゃ明日はロマリア観光と行こうか。色々面白いところを知ってるぜ」
「ありがと。頼むわね」
二人で笑っているところに璃緒がやってきた。
「璃緒か・・・・・・」
先の話を思い出したカイの顔がひきしまった。
「カイ、そんな顔してどうしたの?」
「いや・・・・・・」
言葉を濁すカイに代わって緑崩が口を開いた。
「えー、璃緒。昔の話をしてたんだが・・・・・・言ってよかったか?」
緑崩もまた随分ぼかした言い方であったが、璃緒は何のことか察したようだ。
「ああ、そういうことね。・・・まあ今更ダメだったって言っても仕方ないわね」
「まあな」
「気にしないけどね。別に、隠してたわけでもないし。それに、これから先は長いんだし、仲間として知っててもらったほうがいいかもしれないわね」
「おれもそう思ったから話したんだ。どういう人間なのか、お互いに知ってたほうが連係とかでプラスになることもあるだろうからな」
「それで、どういう風に説明したの?」
緑崩が先ほどカイに語った内容を要約した。
「ふぅん。なるほどね」
「んーカイの話もしていいか?」
緑崩の問いにカイはうなずく。
「なぁに?」
「カイはエジンベア出身らしい。んで、国が嫌いで飛び出して来たんだと」
「へぇ。そうだったの」
「厳密に言うと軍に嫌気が差して、だな。軍にいたんだが、牧歌的なところで緊張感がない。『後れた国々なぞ恐るるに足らぬ』とかで大陸の国・・・・・・ロマリアやポルトガに対する警戒を全くしていなかった。武器や戦い方などでも保守的で進歩のないところだった。それで見切りを付けて退役したんだ」
「軍にいたのか。さっきの話じゃそこまで聞いてなかったな」
「悪い、こっちの聞きたいことを優先したからな。ええと、それでその後しばらくして旅に出たんだ。ノアニールからカザーブを通ってロマリアとポルトガを見た。そこで勇者の話を聞いたし、大国アリアハンを見てみようというのもあってアリアハンに行った」
「しかし、何故か勇者以外と旅をすることになった、と」
「ははは、何故か、な」
何故か、が受けたのかカイは声に出して笑った
「それじゃロマリアは詳しいかしら。詳しかったら明日から色々案内してくれないかしら」
「よし。それじゃ明日はロマリア観光と行こうか。色々面白いところを知ってるぜ」
「ありがと。頼むわね」
「お前たちはどういう関係だ?」
カイは緑崩に尋ねた。
「どうと言われてもなぁ・・・・・・(汗)」
「言いたくないか?」
「いや、そうじゃないけど・・・・・・んー、なら、カイはどういう関係に見える?」
「それがわからんから聞いてるんだが。・・・兄妹じゃないだろうし、だからといって単なる友人というには関係が深いと感じる。主従関係もなさそうだ。あるとすれば親戚か、だがそうでもなさそうだ」
カイは自分の推測を口にした。あれこれと推理はしたものの、結局どの結論にも違和感を感じた。だからこうして答えを聞こうとしたのだ。
「ふむぅ。カイの推測はほぼ正解だ。家族じゃない。はっきりしたことは言えないが親戚でも多分ないだろう。勿論ご主人様とメイドの関係でもなければ家臣と御館様の関係でもない」
「中々勿体ぶるな。じゃあなんだっていうんだ?」
「それを説明するとなると、生い立ちから説明しないといけなくなる。ちょっと長いし面白い話じゃないが、聞くか?」
少しだけ真剣味を含んだ眼差しを意外に感じながらもカイはうなづいた。
「そう・・・・・・まあおれたち三人は簡単に言えば幼馴染だ。家が近くて親同士も仲がいい。だから、物心がつく前から一緒にいることになるな」
緑崩はここで一旦話を区切った。カイが何も言わずに聞いているのを見て話を続けた。
「璃緒の家庭はちょっと複雑でな。あ、そうだこっちの世界って妾っているのか?」
「金持ちの側室のことか?」
「そうそう。そうか、やっぱその制度があるのか。なら話が早い。璃緒の母親が、その、資産家の愛人でな。その資産家との間にできた子が璃緒。家を一件与えられてそこで母子二人で住んでたんだ。そんな家族関係だからあいつはそれで悪く言われたこともあったけどな」
「そうか。そういうところはそちらもこちらも変らないな」
「どこでも人間のやることなんて同じだよ。まあうちと瑠奈のとこはおばさん・・・璃緒の母と親しかったが。父親のほうは会ったことすらないけどね。それで、生まれたときから今までの付き合いだ。小さい時は外で遊ぶ時は大体一緒だったな」
「なんだ、それだけか?」
「いや、璃緒のおばさんが12の時に亡くなったんだ。おばさんの両親は亡くなってたし、兄弟姉妹もいない。遠い親戚がいることはいたが、不況だということもあり預かるという人がいなかった。そもそも疎遠な親戚のところに行くのを璃緒が嫌がっていたというのもあるんだが。父親のほうは愛人の娘なんて公にできない存在を家に住まわせるわけにはいかないんだろうが璃緒を引き取らないように話をもっていこうとしてた」
そこで一旦話すのをやめて水を口に含む。これは客が自由に飲めるように店側が置いたものだ。
「おばさんの親戚も父親も璃緒の面倒は見たくない。両サイドが集まって話したんだが押し付け合いになったらしくてな。それで璃緒が『一人でこの家に住むからいい』って言ったらしい」
「それはまた12歳がよく言ったな」
「この時からしっかりしてるというか、ちゃっかり家の名義を璃緒の名義に書き換えてもらい、養育費に関しても父親から出してもらうように話をつけたらしい」
「その父親も自分の子供くらい面倒見ろって言いたいけどな」
「それはおれも思うが、正妻さんが嫌がっていたらしい。まあ愛人がいることすら気分のいいものじゃないだろうしそれは仕方ないが。まあとにかくそうして璃緒は一人で家に住むようになったと」
「それが、お前たちとの関係にどうつながるんだ?」
「まあ子供が一人で暮らしていけるわけないからな。最初はうちに来たり瑠奈の家に行ったりしてたんだ。それで高校・・・・・・15,6になって一人で生活していけるようになったくらいから、逆におれと瑠奈が璃緒の家に行くことにしたんだ」
「はあ?」
「瑠奈が『璃緒ちゃん家に一人じゃ寂しいでしょ~』とか言い出してな。そんでちょくちょく行くようになったんだが、結局そのまま居ついてしまったのだ」
「そ、そうか」
「まあそんなこんなで単に幼馴染というよりかは家族に近い感覚になったわけだ。璃緒だけ天涯孤独なのは可哀想だっていうのを建前に、ただ楽しいから一緒にいるだけだな。うちの親も瑠奈の親もよく璃緒の家で暮らすことを許可したものだ」
「お前と瑠奈の親も大概だな」
そうして二人は向き合って笑った。
カイは緑崩に尋ねた。
「どうと言われてもなぁ・・・・・・(汗)」
「言いたくないか?」
「いや、そうじゃないけど・・・・・・んー、なら、カイはどういう関係に見える?」
「それがわからんから聞いてるんだが。・・・兄妹じゃないだろうし、だからといって単なる友人というには関係が深いと感じる。主従関係もなさそうだ。あるとすれば親戚か、だがそうでもなさそうだ」
カイは自分の推測を口にした。あれこれと推理はしたものの、結局どの結論にも違和感を感じた。だからこうして答えを聞こうとしたのだ。
「ふむぅ。カイの推測はほぼ正解だ。家族じゃない。はっきりしたことは言えないが親戚でも多分ないだろう。勿論ご主人様とメイドの関係でもなければ家臣と御館様の関係でもない」
「中々勿体ぶるな。じゃあなんだっていうんだ?」
「それを説明するとなると、生い立ちから説明しないといけなくなる。ちょっと長いし面白い話じゃないが、聞くか?」
少しだけ真剣味を含んだ眼差しを意外に感じながらもカイはうなづいた。
「そう・・・・・・まあおれたち三人は簡単に言えば幼馴染だ。家が近くて親同士も仲がいい。だから、物心がつく前から一緒にいることになるな」
緑崩はここで一旦話を区切った。カイが何も言わずに聞いているのを見て話を続けた。
「璃緒の家庭はちょっと複雑でな。あ、そうだこっちの世界って妾っているのか?」
「金持ちの側室のことか?」
「そうそう。そうか、やっぱその制度があるのか。なら話が早い。璃緒の母親が、その、資産家の愛人でな。その資産家との間にできた子が璃緒。家を一件与えられてそこで母子二人で住んでたんだ。そんな家族関係だからあいつはそれで悪く言われたこともあったけどな」
「そうか。そういうところはそちらもこちらも変らないな」
「どこでも人間のやることなんて同じだよ。まあうちと瑠奈のとこはおばさん・・・璃緒の母と親しかったが。父親のほうは会ったことすらないけどね。それで、生まれたときから今までの付き合いだ。小さい時は外で遊ぶ時は大体一緒だったな」
「なんだ、それだけか?」
「いや、璃緒のおばさんが12の時に亡くなったんだ。おばさんの両親は亡くなってたし、兄弟姉妹もいない。遠い親戚がいることはいたが、不況だということもあり預かるという人がいなかった。そもそも疎遠な親戚のところに行くのを璃緒が嫌がっていたというのもあるんだが。父親のほうは愛人の娘なんて公にできない存在を家に住まわせるわけにはいかないんだろうが璃緒を引き取らないように話をもっていこうとしてた」
そこで一旦話すのをやめて水を口に含む。これは客が自由に飲めるように店側が置いたものだ。
「おばさんの親戚も父親も璃緒の面倒は見たくない。両サイドが集まって話したんだが押し付け合いになったらしくてな。それで璃緒が『一人でこの家に住むからいい』って言ったらしい」
「それはまた12歳がよく言ったな」
「この時からしっかりしてるというか、ちゃっかり家の名義を璃緒の名義に書き換えてもらい、養育費に関しても父親から出してもらうように話をつけたらしい」
「その父親も自分の子供くらい面倒見ろって言いたいけどな」
「それはおれも思うが、正妻さんが嫌がっていたらしい。まあ愛人がいることすら気分のいいものじゃないだろうしそれは仕方ないが。まあとにかくそうして璃緒は一人で家に住むようになったと」
「それが、お前たちとの関係にどうつながるんだ?」
「まあ子供が一人で暮らしていけるわけないからな。最初はうちに来たり瑠奈の家に行ったりしてたんだ。それで高校・・・・・・15,6になって一人で生活していけるようになったくらいから、逆におれと瑠奈が璃緒の家に行くことにしたんだ」
「はあ?」
「瑠奈が『璃緒ちゃん家に一人じゃ寂しいでしょ~』とか言い出してな。そんでちょくちょく行くようになったんだが、結局そのまま居ついてしまったのだ」
「そ、そうか」
「まあそんなこんなで単に幼馴染というよりかは家族に近い感覚になったわけだ。璃緒だけ天涯孤独なのは可哀想だっていうのを建前に、ただ楽しいから一緒にいるだけだな。うちの親も瑠奈の親もよく璃緒の家で暮らすことを許可したものだ」
「お前と瑠奈の親も大概だな」
そうして二人は向き合って笑った。
「そういやさっきの話だが・・・」
ロビーのソファに寝転んだ緑崩が言った。
「ん?なんの話だ?」
対面のソファに座りカイが聞く。
「うむ、さっき生まれた国って言ってたよな。どこ?」
「ああ、それか・・・・・・」
「あー。まあ別に無理に話さなくてもいいよ。時間があるついでに聞いてみただけだし」
ああ、とうなづきなくカイ。
しばし間をあけてからカイが喋りだした。
「俺が生まれたのはエジンベアという国なんだが、知ってるか?」
「ああ、あそこか。詳しくは知らないが、まあ閉鎖的になりそうな国だろうとは思う」
いなかもの、と入れてくれない兵士がいた。ランシールできえさりそうを買っていくなんて誰が思いつくものかと思った。しかし、瑠奈にその後聞いたところ、彼女はあっさりとかわきのつぼを手に入れたらしい。そんな昔の出来事を緑崩は思い出した。
「そうか、知ってるか。そんな国だ」
「なるほど。カイが国を好きじゃないということはわかった」
「どういうことだ?」
「普通出身国のことを『俺の国』とか『故郷』とか言うものだろうが、わざわざ『俺の生まれた国』って言ったことかな。育ったところが別というわけでもないのに、こんな言い方は普通しないだろ」
「ほう。変なところを見ているんだな」
「まあ、おれもそうだからな」
「緑崩も祖国嫌いか?」
「いや、おれの場合国ではないんだがな」
緑崩の場合、それは国ではなく学校である。こちらに来てからは話にすらのぼらないが、普段から緑崩は「おれの大学」とは言わない。大学名で呼ぶか「行っている大学」という。この違いを緑崩自身は強く意識して使っているが、それに気付くものはいない。大学が嫌いだと知っている璃緒と瑠奈ですら気付かない微妙な言い回しの違いである。
「そうか。そっちも大変なんだな。・・・・・・ところで、一つ、聞いてもいいか?」
思案じみた顔でカイは尋ねた。
「ん?内容次第では答えよう」
緑崩はわざと尊大な口調で応じる
「そう言われたほうが聞きやすくて助かる。お前たちはどういう関係だ?」
ロビーのソファに寝転んだ緑崩が言った。
「ん?なんの話だ?」
対面のソファに座りカイが聞く。
「うむ、さっき生まれた国って言ってたよな。どこ?」
「ああ、それか・・・・・・」
「あー。まあ別に無理に話さなくてもいいよ。時間があるついでに聞いてみただけだし」
ああ、とうなづきなくカイ。
しばし間をあけてからカイが喋りだした。
「俺が生まれたのはエジンベアという国なんだが、知ってるか?」
「ああ、あそこか。詳しくは知らないが、まあ閉鎖的になりそうな国だろうとは思う」
いなかもの、と入れてくれない兵士がいた。ランシールできえさりそうを買っていくなんて誰が思いつくものかと思った。しかし、瑠奈にその後聞いたところ、彼女はあっさりとかわきのつぼを手に入れたらしい。そんな昔の出来事を緑崩は思い出した。
「そうか、知ってるか。そんな国だ」
「なるほど。カイが国を好きじゃないということはわかった」
「どういうことだ?」
「普通出身国のことを『俺の国』とか『故郷』とか言うものだろうが、わざわざ『俺の生まれた国』って言ったことかな。育ったところが別というわけでもないのに、こんな言い方は普通しないだろ」
「ほう。変なところを見ているんだな」
「まあ、おれもそうだからな」
「緑崩も祖国嫌いか?」
「いや、おれの場合国ではないんだがな」
緑崩の場合、それは国ではなく学校である。こちらに来てからは話にすらのぼらないが、普段から緑崩は「おれの大学」とは言わない。大学名で呼ぶか「行っている大学」という。この違いを緑崩自身は強く意識して使っているが、それに気付くものはいない。大学が嫌いだと知っている璃緒と瑠奈ですら気付かない微妙な言い回しの違いである。
「そうか。そっちも大変なんだな。・・・・・・ところで、一つ、聞いてもいいか?」
思案じみた顔でカイは尋ねた。
「ん?内容次第では答えよう」
緑崩はわざと尊大な口調で応じる
「そう言われたほうが聞きやすくて助かる。お前たちはどういう関係だ?」