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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 ロマリア王国。ロマリア半島中央部に位置する王政国家。海の幸に恵まれ、塩の生産も盛んな国である。アッサラームとポルトガをつなぐ中継地点として、多くの商人が集まり商業都市となった。税制面で商人たちを優遇したため、多くのポルトガとアッサラームの商人たちが集まり栄華を誇った。
 「着いた~」
 ロマリアに着くなり瑠奈がため息混じりに言った。
 朝にアリアハンを出発したが、ロマリアに着いた頃にはもう既に太陽が沈みきった後だった。ようやく着いたのはいいが、夜なので閉門しているのではと四人は危惧したが、夜でも門番が立っていて通用門を開けてくれた。
 宿屋に入ると、夜にもかかわらず宿泊が了承された。しかし、空き部屋は一つしかないらしく、四人で一つの部屋に泊まることになった。
 「無事にアリアハン脱出できてよかったな」
 ベッドに腰をおろしながらカイが言う。
 「そうね、ちょっと危ない場面もあったけど、なんとか誰も死なずにここまで来れてよかったわ」
 「おれがメラ二発受けたことですね、わかります」
 「まあまあそう気を落とさずに~」
 「命さえ落とさなければそれでいいけどね」
 「うぐぅ」
 「ははは。・・・・・・それにしてもよく急造パーティでここまで来れたものだ。まさかまたアリアハンを出られるとは思ってなかったな」
 「そうか?」
 「ああ、いざないの洞くつは壁によって封じられてるし、海を渡れるとは思えなかったからな」
 魔物が少なかった頃は頻繁に船が各国を往復していたし、旅行客や商人なども多数いた。しかし、現在は魔物が増え、危険が増したため定期船は殆ど廃止され、陸路での旅をするものも激減した。魔王軍による離間工作などにより外交関係が各国冷え込み、鎖国政策を採る国家が増えたこともこれに拍車をかけた。
 「じゃあ、ロマリアに来たこととかもあるの~?」
 「何度かはな。俺が生まれた国は元々閉鎖的な国だったから、外国との交流や旅行というものは少なかったがな。だから俺みたいに旅に出るやつは珍しいんだぜ。・・・・・・今日はみなお疲れ様だったな。特に瑠奈が疲れてるようだし、そろそろ寝ようか」
 「すや~」
 「ちょっと瑠奈、そんな格好で寝ちゃダメ!ちゃんと着替えなさい」
 返事がない。ただのしかばねのように眠っている。
 「仕方ないわねぇ・・・・・・ちょっと二人とも、今からこれ着替えされるから出ててくれない?」
 「ほいほい。ザメハがあればこんな時に使うと便利そうだな」
 「ああ、ロビーにいるから終わったら呼びにきてくれ」
 カイと緑崩は追い出されてしまった。
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 「やっと着いた・・・」
 四人はようやく下り階段を見つけた。疲労感はみなが感じているものの、階段までたどり着いた喜びと達成感がそれに勝っていた。
 洋々と階段を下る。道が三つに分かれている。
 「ここ、どっち行く?」
 「左だよ~」
 「よく知ってるな」
 「いや待て瑠奈、それはプレイヤー視点だ」
 「あ、やっぱり右~」
 右の道を進むと扉があるので盗賊の鍵(コピー)で開錠する。更に進むと旅の扉があった。
 「ようやく着いたな」
 「ええ、やっと」
 互いに労をねぎらう。ひとしきり済んだところで璃緒が出発の合図をする。
 「それじゃ、新大陸に向けて―」
 「出発ー!」

 おばけありくいとフロッガーを退けた四人は階段を目指し進んだ。亀裂を避け、右に曲がり階段を目指す。曲がる時は必ず先に敵がいないかを確認する。その時にも後ろから魔物が来ないかも確かめる。
 更に進み曲がり角に行き着く。 カイが曲がり角の先を注視する。敵はいない。
 「OK、大丈夫だ」
 敵がいないことを確認して先に進む。次の突き当りを右で階段にたどり着く。
 しかし、突如として敵が現れる。
 まほうつかいである。まほうつかいが二人突き当りの裏から姿を現した。
 まほうつかいはメラを唱えた。
 二つの火炎が先頭のカイに襲いかかる。
 「くっ!」
 慌ててかわのたてで防ぐ。
 「一旦下がるわよ!」
 このままでは狙い撃ちである。四人は先ほど曲がった角に逃げ込んだ。
 壁を盾にして瑠奈とまほうつかい二人とのにらみ合いが始まった。お互いに出たら撃たれるため身動きが取れない。瑠奈を見張りにして、璃緒たちは作戦会議をした。
 「さて、どうしよう。これじゃ身動きが取れない」
 「ええと、少なくとも相手に出てきてもらうか、こちらから出て行かないとどうにもならないわね」
 「それが簡単にできたら苦労はしないんだがな」
 「ん~・・・・・・タメージ覚悟で突っ込むか」
 「それしかないだろうな」
 「だよなぁ。・・・・・・んじゃ、言いだしっぺだしまあ突っ込むわ。自分でホイミもできるし」
 「いや、やるなら俺がやろう。俺のほうが適任だ」
 「まあそうだわな。・・・んじゃすぐ治してあげるからよろしく頼んだ」
 「任せておけ」
 「よろしくね。・・・ああ、緑崩、これ」
 作戦と配役が決まり準備に着く。
 「みんな準備はいいわね。じゃあ、行くわよ!瑠奈、やって」
 瑠奈はメラを唱えた。
 火球がまほうつかいに向かって飛ぶ。
 それを合図にカイが飛び出す。
 メラが壁に阻まれ燃え尽きた。直後まほうつかいが手を出しメラを唱える。
 二つの炎がカイを襲った。
 「ちぃっ」
 かわのたてで防ぐが完全には防ぎきれずその場に立ち尽くす。
 その後ろから璃緒、緑崩が突撃をかける。まほうつかいも再度メラを唱えようとする。
 璃緒と緑崩は走りながら瓦礫を投げつけた。魔法を唱える間もなく瓦礫を避けるまほうつかい。
 更に間をつめる璃緒と緑崩。それに合わせて後方から瑠奈がメラを唱える。まほうつかいは再度壁の裏に逃げ込んだ。
 璃緒と緑崩が曲がり角に到着した。緑崩が角を曲がる。
 「ダメ!」
 璃緒が叫んだが、間に合わなかった。緑崩にメラが二発直撃した。
 「この!」
 璃緒が距離を詰める。
 あっという間に詰め寄られまほうつかいたちはその場に倒れこんだ。
 「緑崩!大丈夫!?」
 「な・・・なんとか」
 緑崩は倒れこんだまま自分にホイミをかけて治した。その後、起き上がってカイにもホイミをかける。
 「いやぁ、今回の敵は苦戦したなぁ。まほうつかい二匹にメラを総計四発か。やっぱり地の利というものがいかに大事かってわかるね」
 緑崩が仰々しく言った。それに答えて璃緒が言う。
 「そうね。地の利は大事ね。迂闊に敵に近づかないことと同じくらいに、ね」
 「あう・・・」

 四人はいざないの洞くつに入った。人の手が長く入っていない洞くつではあったが、それほど魔物はいなかった。しかし、洞くつの床はところどころ抜け落ちておりそれが大きな穴になっているところもあった。その為大きく迂回しながら進まねばならない。
 「あの階段までが遠いわね・・・」
 すぐのところにある階段に行くのに迂回せねばならない。迂回できる場所を探すだけで苦労すると思われたが、幸い緑崩と瑠奈が道順を覚えていたので比較的スムーズに正解の道筋を進むことができた。
 ぐるぐると迂回する。ところどころ亀裂が入っていたり穴が開いていたりするので気をつけなければならない。
 曲がり角を曲がると、おばけありくいがあらわれた。狭い通路に三匹だ。
 おばけありくいとはアリアハン大陸最強の生物である。しかし、レベルがあがり、連携も徐々に取れてきた四人の敵ではなかった。瑠奈のメラを援護にカイと璃緒が接近戦で叩く。あっという間に三匹全て片付けた。
 「これくらいなら敵じゃないな」
 「ここまではね。ロマリアにはあいつがいるから気をつけないと・・・・・・ん?瑠奈!後ろ!」
 璃緒の言葉に全員が振り返る。後ろからフロッガーが迫ってきていた。壁の死角となって発見が遅れたのだ。
 接近戦が苦手な瑠奈は前に逃げる。
 迫るフロッガー。
 前に走る瑠奈とすれ違うように緑崩がフロッガー目掛けて駆ける。
 こんぼうが地面と水平に振られた。
 身をよじって避けるフロッガー。
 「もらった!」
 フォロースルーのままこんぼうを置いた緑崩はフロッガーに突っ込み突き飛ばした。
 後ろに突き飛ばされるフロッガー。
 「落ちてろ!」
 踏みとどまろうとするフロッガーにもう一度突っ込んで突き飛ばす。
 床の裂け目に落ちるフロッガー。
 下からべちゃ、というイヤな音がした。
 「ふう、危なかった。・・・・・・さ、進もうか」
 四人はいざないの洞くつの更に奥深くへと進んだ。

 「瑠奈ー。風呂空いたよ」
 バスタオルで頭を拭きながら緑崩が言った。
 「は~い、じゃあお風呂入ってくるね~」
 瑠奈が風呂に向かうのを見届けて、緑崩は台所にいる璃緒に言う。
 「璃緒ー、お茶くれ~」
 璃緒は飲んでいたコップを置いた。新しいコップに氷を入れてから麦茶を注ぎ、緑崩に手渡す。
 ごくごくごく、と緑崩は一気に飲み干した。
 「キンキンに冷えてやがるっ・・・・・・」
 「あ・・・・・・ありがてえっ・・・・・・」
 「・・・・・・あ・・・そう。よかった・・・わね」

 スナック菓子を出して璃緒と緑崩が食べていると、瑠奈が風呂から出てきた。
 璃緒が氷入りの麦茶を瑠奈に差し出す。
 「キンキンに冷えてやがるっ・・・・・・あ・・・・・・・ありがてえっ・・・・・・」
 「瑠奈まで・・・・・・」
 「ん~璃緒ちゃん何頭抱えてるの~?頭痛?」
 「いや、うん、大丈夫だから。心配しないで・・・」
 「よし、じゃあ久しぶりに三人でお酒でも飲むか」
 「何がじゃあなのかわからないけどいいね~」
 緑崩が日本酒と三人分のお猪口を出す。そしていかさきを皿に開ける。
 瑠奈が豆腐を一丁お皿に載せ醤油と一緒に持ってくる。
 璃緒がねぎを切り醤油皿に入れて持ってくる。
 三人は手早く無駄のない動きで準備を済ませて座る。
 緑崩がお酌をして一斉に飲み始める。
 「うーん、おいしい。同じ宗玄でもこちらのほうが高い分すっきりしてておいしいわね」
 「こうやって三人で飲むのもたまにはいいな」
 「そういえばほんと~に久しぶりだね~」
 「そうねぇ。いい日本酒にはやっぱりやっこみたいな薄味のものが合うわね。味が濃いものだとお酒の味を邪魔しちゃうし」
 と、思い思いに飲み、食べ、喋った。
 「ああああっ」
 「緑崩、どうしたの?」
 「お猪口に虫が・・・・・・」
 緑崩の酒に羽虫が浮かんでいた。緑崩は嘆きながらお酒を捨てに台所へ入った。
 「う~ん、文字通りお酒におぼれたんだね~」
 「うう・・・・・・そういうことだなぁ。・・・まあおれたちもそうならないように気をつけようってことだな」

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