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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 脱衣場に入ると璃緒と瑠奈が一点を注視している。視線の先をみやると、壁にあの黒い悪魔がいた。
 二人に無言で、そして厳かに新聞紙を二つに折って渡す。二人の目も真剣だ。
 璃緒は右手に新聞紙。左手に殺虫剤を掴んでいる。
 瑠奈は右手に新聞紙を持ち、口を真一文字に閉じている。
 それを見て自分も新聞紙を構える。両手に一束ずつ持つ。左右どちらにも素早く反応するためだ。
 「いくわよ」
 璃緒がうごいた。狙いをつけて殺虫剤をかける。
 黒い悪魔が地面に墜落する。
 だが、この程度で死ぬようなやつではない。着地するとすかさず逃げようとする。
 「逃がすか!」
 洗濯機の下などに逃げられたら手出しができない。すばやく回り込んで新聞紙を叩きつける。
 ミスった。
 瑠奈も叩くがこれも避けられた。
 敵は誰もいない浴場へ走っていった。
 「ここまでは計算どおりだがな」
 「そうね。でも、油断すると仕留めそこなうわよ」
 「油断せずいこ~」
 最初の攻囲で倒せなくても逃げ場のない浴場へ誘導することで退路を断つ作戦なのだ。その策は成功し、敵はもう袋の中のネズミ状態だ。
 「窮鼠猫をかむ、というが」
 「虎は咬まれん。ばい呂布~」
 「それに、囲師は欠くべしとも言うけど・・・・・・咬まれる大きさでもないしね。殲滅戦が必要な時もあるのが現代という時代なのよ」
 「敵に出血を強要させるわけだな。よし、叩き潰そうか」
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