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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 「わしは幾度となく鍵を渡す夢を見ていた」
 四人が階段をあがりきると、部屋にいた老人がいきなり話し始めた。
 「ぼけてるのかな~?」
 カイと璃緒の影で瑠奈が緑崩に向かってぼそりと言った。それに対して緑崩はこらこらと苦笑交じりにつぶやく。
 「鍵を渡す夢を見ていた。じゃが、それはお前たちにではない。オルテガのせがれにじゃ」
 老人は静かにそう言った。
 緑崩はため息をついた。塔に登る前から懸念していたことではあった。本来本物の勇者に渡されるべき鍵を自分たちに渡してくれるだろうか。その懸念が現実のものとなったのだ。
 渡してもらえないならば仕方がない。
 「いい眺めですねーここは」
 璃緒が老人に話しかけた。唐突に景色の話をされて面食らったようだ。
 「ん?まあそうじゃな。わし意外は滅多に見れんが絶景じゃの」
 かっかっかと笑う老人に璃緒が言う。
 「でしょうね。魔物もいてなかなかここまで来られる方はいらっしゃいませんでしょうね」
 「そのおかげで静かに暮らせとるわい。滅多に誰も来ないのは寂しい時もあるがな」
 「そうでしょうね。人がまずこないので、おじいさんに何かあっても誰も気付かないことになってしまいますし、病気や怪我なんかされたら大変でしょう」
 「んん?ま、まあそうじゃが」
 「病気になったり魔物に襲われたりしたら助けてくれる人がいないのは危ないですね」
 「な、何が言いたい?」
 「話が戻りますが、バコタが持っていたという鍵、あれをコピーでいいのでいただけませんか?」
 そう言いながら璃緒は腰につるしたどうのつるぎの柄に手をおいた。
 同時に緑崩がしまったままのこんぼうのグリップを持つ。
 「わしを脅そうというのか!?」
 「私たちは決して脅そうなんて思っておりません。無理なお願いだと承知してますから無理なら無理と言って下さってかまいません。コピーでかまわないので鍵をいただけませんか?」
 緑崩が後ろから言った。
 「コピーならばなくなっても大丈夫でしょう。所詮模造品、また作ればいいわけですから。二度と作れないものならばそうはいかないのですから」
 「ちぃっ。持ってけ」
 老人は引き出しから鍵を取り出すと、璃緒に向かって放り投げた。
 「ありがとうございます。無理なお願いをお聞きいただき感謝してもしきれません」
 「は、無理を聞けなければ無理をするつもりじゃったんじゃろう。コピーくらいくれてやる」
 「けしてそんなことは・・・・・・お礼と言ってはなんですが、城下町で買ってきた干し肉とお酒ですがもらって下さいませんか。いいやつを選んできたので」
 こうして四人は無事に盗賊の鍵(コピー)を手に入れた。

 勇者ではない、そういう設定ではいくつか問題点がありまして、今回はその問題の一つであり、それの解決策な訳です。要は勇者だからの特別待遇を受けられない、ということですな。書いたかもだけど、最初に王様からもらう武器もないわけです。ゲーム上ではきちんと捨てました。会わないと仲間を作れないので会いはしたけど。他にもいくつか勇者だからってのがあるから、それをどうするかってのを考えるのが結構楽しい。とりわけ一番大きい問題があるけど、それも一応決まってる。装備していいもの悪いものも含めてある程度考えてはいる。SFC版で出てくるオルテガの兜とかね。あれは装備しちゃいけない以前にもらっちゃダメだし。あの辺は全てスルーかな。
 次回はアリアハンに戻ります。その白さはまるで雪を思い起こされる。アリアハンって雪降るのかな。
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