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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 おれはすぐにその場を離れ、家に帰ろうと歩きはじめた。隣には朱宮さんがいる。彼女がおれに話しかけた。
 「あの・・・・・・すいませんでした。あなたまで巻き込んでしまって」
 「いや、いいんですよ。こうして二人とも無事なんですから。気にすることはないですよ」
 「でも・・・なぜ助けてくれたんですか?私をおいて一人で逃げれば小鳥遊さんまで追われなくて済んだのに。結局助けてもらってこんなこと言うのもなんですけど」
 「いえ、あなたを一人おいて逃げられなかった。ただそれだけですよ」
 「あ・・・・・・ありがとうございました。そう言ってもらえるて嬉しいです」
 十字路に差し掛かった。ここを家に行くには右へ曲がらなくてはいけない。
 「朱宮さんはどちらへ?私はここを右ですが」
 「えーっと・・・・・・この辺りはよくわからないんですけど、たぶん私も右へ行けばいいと思います」
 二人とも右に曲がる。普通の住宅地が続く。よくみると右側は十軒ほど同じような造りをしている。同じ会社が建売販売したものだろうか。
 「小鳥遊さんってなにか格闘技をやってるんですか?」
 「はい。いくつかやったことがあります。趣味の範囲で、ですけどね」
 「そうなんですか?あの、趣味の範囲で日本刀をとめたりできるんですか?」
 「いえ、あれはかなり偶然ですよ。そう簡単にできるもんじゃありません。運がよかっただけです」
 そう話しているうちに三叉路に出た。まだまっすぐ行けばいい。この道は少しカーブをしているのでまっすぐというのはおかしい表現だが。
 さっきの会話以降彼女はなにも話さない。おれも自分から話すようなことがない。なにかこのまま沈黙を続けるのもアレなのでなにか会話をしたいが、なにを話していいのかがわからない。
 そんなことを思いながら歩いていると、広い通りに出た。
 「やっと道のわかるとこに出ました。私はここをあちらですけど、小鳥遊さんはどちらですか?」
 彼女はここを左らしい。こちらはまだ直進だ。
 「私はまだまっすぐです。じゃあ、ここでお別れですね」
 「あ、はい。そうですね」
 「では、また、なにかあったらお会いしましょう。ま今回みたいな命懸けなことはいやですが」
 「そうですね。今度会うならなにか、できれば楽しいことで会えるといいですね」
 「それはそうですね。あ、そうだ、朱宮さん」
 「はい?」
 メモ帳を破り手早く数字を書いた。折角のチャンスだ。
 「これ、私の番号です。なにかあったら連絡して下さい」
 「あ、わかりました。じゃあ、私も」
 今度は彼女が連絡先を教えてくれた。思い切って言ってみてよかった。
 「では、これで失礼しますね。・・・・・・あの、今日は本当にありがとうございました。無事でいられたのもあなたのお陰です」
 「いえいえ、無事でなによりです。それじゃあ」
 そう言って別れた。しばらく歩み去ってゆく彼女の後姿を眺めてから、再び帰路についた。

 毎度のことながらもっと短くなる予定だったorz。なぜ長くなるのだろうか。まあいいや。
 そういやキツツキのみなさんはどこに行っちゃったんでしょうねぇ。見せ場はあの場面だけだったらしい。きっと隠密行動でみなに気付かれないようにあの場にいたんだろう。まあいてもいなくても同じなわけなのだけれど。
 小鳥遊の一人称。地の文では「おれ」、朱宮との会話では「私」を使ってます。今日書いてて気付いた。
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