いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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五分ほどで璃緒たちは帰ってきた。
「お帰り~」
「ただいま」
「さて、無事穴から出られたことだし、おれたちはお暇するとしようか」
「そうだな。失礼しよう」
「さすがにキメラの翼のお金、出しますよ?」
「あー、いいっていいって。それほどお金には困ってないし。それに元々タダだからね」
「気にしなくていい」
「経費で落とすから気になさらなくてもいいんですが・・・・・・ではお礼に、といってはなんですが、受け取って下さい」
璃緒はコンサートのチケット四枚を受け取った。
「こちらのほうが高額になってしまいますね」
「売れなければただの紙くずですよ」
「あ、あのぅ」
雪歩がおずおずと言った。
「お名前を、聞かせて下さい」
「そういえばまだ名のってなかったわね。私は璃緒」
「瑠奈だよ~」
「カイだ。よろしく」
もう一度別れの挨拶をして四人は宿屋に帰っていった。その姿を眺めながら雪歩がつぶやいた。
「璃緒さん、かぁ・・・」
「お帰り~」
「ただいま」
「さて、無事穴から出られたことだし、おれたちはお暇するとしようか」
「そうだな。失礼しよう」
「さすがにキメラの翼のお金、出しますよ?」
「あー、いいっていいって。それほどお金には困ってないし。それに元々タダだからね」
「気にしなくていい」
「経費で落とすから気になさらなくてもいいんですが・・・・・・ではお礼に、といってはなんですが、受け取って下さい」
璃緒はコンサートのチケット四枚を受け取った。
「こちらのほうが高額になってしまいますね」
「売れなければただの紙くずですよ」
「あ、あのぅ」
雪歩がおずおずと言った。
「お名前を、聞かせて下さい」
「そういえばまだ名のってなかったわね。私は璃緒」
「瑠奈だよ~」
「カイだ。よろしく」
もう一度別れの挨拶をして四人は宿屋に帰っていった。その姿を眺めながら雪歩がつぶやいた。
「璃緒さん、かぁ・・・」
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「そうだねぇ・・・・・・どうしようか」
穴の中にいる雪歩に笑いかけながら緑崩は言った。
「よし、ヒラメ板」
「そんな古典的なギャグを・・・」
隣で璃緒が頭を抱えた。
その璃緒に向かって緑崩が言う。
「ちょっち穴に入って」
「え?どうして?」
「いいからいいから、レッツゴー!」
言われるがままに穴に入る璃緒。それを他はみな心配そうにみている。瑠奈一人を除いて。
「よし、入ったね。そしてそこで取り出だしたるは不思議な翼。これを使えばあっという間に行きたい町にひとっ飛び」
「ただのキメラの翼でしょ」
「確かにタダだ。ナジミの塔で取ってきたんだからな」
「はいはい・・・・・・大体やることはわかったわ。それ、こっちに頂戴」
「はい、かしこまりました~」
「山田隆夫とか誰もわかんないよ~?」
「んじゃ、後は任せた~」
はいはい、とつぶやいて璃緒は雪歩のほうを向く。
「それではお姫様、ここから脱出致しましょう」
「は、はい?・・・え、きゃあ」
璃緒はすっと雪歩を抱えるとキメラの翼を放り投げた。
飛んでいく二人。
「まさかお姫様抱っことは」
飛んでいく二人を見上げながら緑崩がぼそりとつぶやいた。
穴の中にいる雪歩に笑いかけながら緑崩は言った。
「よし、ヒラメ板」
「そんな古典的なギャグを・・・」
隣で璃緒が頭を抱えた。
その璃緒に向かって緑崩が言う。
「ちょっち穴に入って」
「え?どうして?」
「いいからいいから、レッツゴー!」
言われるがままに穴に入る璃緒。それを他はみな心配そうにみている。瑠奈一人を除いて。
「よし、入ったね。そしてそこで取り出だしたるは不思議な翼。これを使えばあっという間に行きたい町にひとっ飛び」
「ただのキメラの翼でしょ」
「確かにタダだ。ナジミの塔で取ってきたんだからな」
「はいはい・・・・・・大体やることはわかったわ。それ、こっちに頂戴」
「はい、かしこまりました~」
「山田隆夫とか誰もわかんないよ~?」
「んじゃ、後は任せた~」
はいはい、とつぶやいて璃緒は雪歩のほうを向く。
「それではお姫様、ここから脱出致しましょう」
「は、はい?・・・え、きゃあ」
璃緒はすっと雪歩を抱えるとキメラの翼を放り投げた。
飛んでいく二人。
「まさかお姫様抱っことは」
飛んでいく二人を見上げながら緑崩がぼそりとつぶやいた。
男は穴を見つけると走って近づいてきた。
躊躇せず穴を覗き込んで言う。
「ここにいたのか雪歩。今夜はコンサートなんだから・・・」
「ううっ、すみませんすみません」
「雪歩が無事ならいいんだ。とにかく戻ろう」
「無理ですぅ。できません・・・ううっ、ぐす」
「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
緑崩たちは何が起こっているのか把握するだけで精一杯だった。どうやら今夜コンサートをする出演者とそのプロデューサーらしい。
「違います。怖いんです。私、コンサートなんてしたことないから緊張でのどがキュウって」
「初めてのコンサートだからな。緊張もするさ」
「はいぃ、でも・・・失敗したら・・・・・・、ううっ、ぐすっ」
「こら、歌う前から悪い想像するな。こういう時はな、ポジティヴシンキングだ」
「・・・・・・そうですよね。すこしは前向きにならないと。・・・・・・私は、できる。私は、できる。私は・・・やっぱり無理ですよぉ」
「お、落ち着け雪歩」
男がうろたえている。
「えっと、雪歩さん?」
緑崩が穴の中の少女に声をかける。
「はい?」
「そういう時は気合ですよ。気合」
「きあい、ですか?」
「そうです。気合があれば何でもできる。わかったらぼくの後について叫んで」
と言って緑崩は息を吸い込んだ。
「気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!きぃあいだぁぁぁーーーっ!!!」
「き、き、き、っきアいだ、キアイだ、着合いだ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、きあいだぁー!!」
「おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おぉーいっ!!」
「おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おぉいーっ!!」
「よし、その調子だ。You can do it!」
「な、なんだかできるような気がしてきましたぁ」
少女の顔がぱぁっと明るくなった。
「プロデューサーのぼくが立ち直らせてやれなかったのに・・・すごいね君」
「あーっと、世界のトップクラスで戦う人はこうして気合を入れて強くなったそうですよ。・・・そんなことよりも、雪歩さん。あなたにはまず底から出る必要があります」
「えっとぉ、どうやって出ればいいんでしょうかぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
躊躇せず穴を覗き込んで言う。
「ここにいたのか雪歩。今夜はコンサートなんだから・・・」
「ううっ、すみませんすみません」
「雪歩が無事ならいいんだ。とにかく戻ろう」
「無理ですぅ。できません・・・ううっ、ぐす」
「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
緑崩たちは何が起こっているのか把握するだけで精一杯だった。どうやら今夜コンサートをする出演者とそのプロデューサーらしい。
「違います。怖いんです。私、コンサートなんてしたことないから緊張でのどがキュウって」
「初めてのコンサートだからな。緊張もするさ」
「はいぃ、でも・・・失敗したら・・・・・・、ううっ、ぐすっ」
「こら、歌う前から悪い想像するな。こういう時はな、ポジティヴシンキングだ」
「・・・・・・そうですよね。すこしは前向きにならないと。・・・・・・私は、できる。私は、できる。私は・・・やっぱり無理ですよぉ」
「お、落ち着け雪歩」
男がうろたえている。
「えっと、雪歩さん?」
緑崩が穴の中の少女に声をかける。
「はい?」
「そういう時は気合ですよ。気合」
「きあい、ですか?」
「そうです。気合があれば何でもできる。わかったらぼくの後について叫んで」
と言って緑崩は息を吸い込んだ。
「気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!きぃあいだぁぁぁーーーっ!!!」
「き、き、き、っきアいだ、キアイだ、着合いだ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、気合だ、きあいだぁー!!」
「おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おぉーいっ!!」
「おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おぉいーっ!!」
「よし、その調子だ。You can do it!」
「な、なんだかできるような気がしてきましたぁ」
少女の顔がぱぁっと明るくなった。
「プロデューサーのぼくが立ち直らせてやれなかったのに・・・すごいね君」
「あーっと、世界のトップクラスで戦う人はこうして気合を入れて強くなったそうですよ。・・・そんなことよりも、雪歩さん。あなたにはまず底から出る必要があります」
「えっとぉ、どうやって出ればいいんでしょうかぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
緑崩たちは穴が開いているところに向かった。
進むにつれて全貌がみえてくる。いや、正確に言えばみえないといったほうが正確か。穴まで5メートルくらいのところまで来ても底が見えないのだ。
更に近づいた。穴を見る。そこには少女がいた。真っ白な服を着ている。
四人は穴のすぐ近くで穴を覗き込む。そこから声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「はいぃ、大丈夫ですぅ」
「どうしたんですか?落ちたんですか?どうしてこんな深い穴が・・・」
「穴を掘って埋まってますぅ」
今にも泣き出しそうな声だ。
「えっと・・・あなたが自分で穴を掘ってそのまま埋まってる、と?」
横から璃緒が聞く。
「そうですぅ・・・」
「雪歩ー!どこだー!?」
不意にそんな声が聞こえた。少女がびくっと体を震わせた。
緑崩は顔を上げると20メートルほど離れたところに叫びながら走っている男が見えた。先ほどの声の主はあの男らしい。
「ぷ、プロデューサー・・・」
穴の底からつぶやき声が聞こえた。
進むにつれて全貌がみえてくる。いや、正確に言えばみえないといったほうが正確か。穴まで5メートルくらいのところまで来ても底が見えないのだ。
更に近づいた。穴を見る。そこには少女がいた。真っ白な服を着ている。
四人は穴のすぐ近くで穴を覗き込む。そこから声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「はいぃ、大丈夫ですぅ」
「どうしたんですか?落ちたんですか?どうしてこんな深い穴が・・・」
「穴を掘って埋まってますぅ」
今にも泣き出しそうな声だ。
「えっと・・・あなたが自分で穴を掘ってそのまま埋まってる、と?」
横から璃緒が聞く。
「そうですぅ・・・」
「雪歩ー!どこだー!?」
不意にそんな声が聞こえた。少女がびくっと体を震わせた。
緑崩は顔を上げると20メートルほど離れたところに叫びながら走っている男が見えた。先ほどの声の主はあの男らしい。
「ぷ、プロデューサー・・・」
穴の底からつぶやき声が聞こえた。