いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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「あら、なんか楽しそうね?」
二人で笑っているところに璃緒がやってきた。
「璃緒か・・・・・・」
先の話を思い出したカイの顔がひきしまった。
「カイ、そんな顔してどうしたの?」
「いや・・・・・・」
言葉を濁すカイに代わって緑崩が口を開いた。
「えー、璃緒。昔の話をしてたんだが・・・・・・言ってよかったか?」
緑崩もまた随分ぼかした言い方であったが、璃緒は何のことか察したようだ。
「ああ、そういうことね。・・・まあ今更ダメだったって言っても仕方ないわね」
「まあな」
「気にしないけどね。別に、隠してたわけでもないし。それに、これから先は長いんだし、仲間として知っててもらったほうがいいかもしれないわね」
「おれもそう思ったから話したんだ。どういう人間なのか、お互いに知ってたほうが連係とかでプラスになることもあるだろうからな」
「それで、どういう風に説明したの?」
緑崩が先ほどカイに語った内容を要約した。
「ふぅん。なるほどね」
「んーカイの話もしていいか?」
緑崩の問いにカイはうなずく。
「なぁに?」
「カイはエジンベア出身らしい。んで、国が嫌いで飛び出して来たんだと」
「へぇ。そうだったの」
「厳密に言うと軍に嫌気が差して、だな。軍にいたんだが、牧歌的なところで緊張感がない。『後れた国々なぞ恐るるに足らぬ』とかで大陸の国・・・・・・ロマリアやポルトガに対する警戒を全くしていなかった。武器や戦い方などでも保守的で進歩のないところだった。それで見切りを付けて退役したんだ」
「軍にいたのか。さっきの話じゃそこまで聞いてなかったな」
「悪い、こっちの聞きたいことを優先したからな。ええと、それでその後しばらくして旅に出たんだ。ノアニールからカザーブを通ってロマリアとポルトガを見た。そこで勇者の話を聞いたし、大国アリアハンを見てみようというのもあってアリアハンに行った」
「しかし、何故か勇者以外と旅をすることになった、と」
「ははは、何故か、な」
何故か、が受けたのかカイは声に出して笑った
「それじゃロマリアは詳しいかしら。詳しかったら明日から色々案内してくれないかしら」
「よし。それじゃ明日はロマリア観光と行こうか。色々面白いところを知ってるぜ」
「ありがと。頼むわね」
二人で笑っているところに璃緒がやってきた。
「璃緒か・・・・・・」
先の話を思い出したカイの顔がひきしまった。
「カイ、そんな顔してどうしたの?」
「いや・・・・・・」
言葉を濁すカイに代わって緑崩が口を開いた。
「えー、璃緒。昔の話をしてたんだが・・・・・・言ってよかったか?」
緑崩もまた随分ぼかした言い方であったが、璃緒は何のことか察したようだ。
「ああ、そういうことね。・・・まあ今更ダメだったって言っても仕方ないわね」
「まあな」
「気にしないけどね。別に、隠してたわけでもないし。それに、これから先は長いんだし、仲間として知っててもらったほうがいいかもしれないわね」
「おれもそう思ったから話したんだ。どういう人間なのか、お互いに知ってたほうが連係とかでプラスになることもあるだろうからな」
「それで、どういう風に説明したの?」
緑崩が先ほどカイに語った内容を要約した。
「ふぅん。なるほどね」
「んーカイの話もしていいか?」
緑崩の問いにカイはうなずく。
「なぁに?」
「カイはエジンベア出身らしい。んで、国が嫌いで飛び出して来たんだと」
「へぇ。そうだったの」
「厳密に言うと軍に嫌気が差して、だな。軍にいたんだが、牧歌的なところで緊張感がない。『後れた国々なぞ恐るるに足らぬ』とかで大陸の国・・・・・・ロマリアやポルトガに対する警戒を全くしていなかった。武器や戦い方などでも保守的で進歩のないところだった。それで見切りを付けて退役したんだ」
「軍にいたのか。さっきの話じゃそこまで聞いてなかったな」
「悪い、こっちの聞きたいことを優先したからな。ええと、それでその後しばらくして旅に出たんだ。ノアニールからカザーブを通ってロマリアとポルトガを見た。そこで勇者の話を聞いたし、大国アリアハンを見てみようというのもあってアリアハンに行った」
「しかし、何故か勇者以外と旅をすることになった、と」
「ははは、何故か、な」
何故か、が受けたのかカイは声に出して笑った
「それじゃロマリアは詳しいかしら。詳しかったら明日から色々案内してくれないかしら」
「よし。それじゃ明日はロマリア観光と行こうか。色々面白いところを知ってるぜ」
「ありがと。頼むわね」
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「お前たちはどういう関係だ?」
カイは緑崩に尋ねた。
「どうと言われてもなぁ・・・・・・(汗)」
「言いたくないか?」
「いや、そうじゃないけど・・・・・・んー、なら、カイはどういう関係に見える?」
「それがわからんから聞いてるんだが。・・・兄妹じゃないだろうし、だからといって単なる友人というには関係が深いと感じる。主従関係もなさそうだ。あるとすれば親戚か、だがそうでもなさそうだ」
カイは自分の推測を口にした。あれこれと推理はしたものの、結局どの結論にも違和感を感じた。だからこうして答えを聞こうとしたのだ。
「ふむぅ。カイの推測はほぼ正解だ。家族じゃない。はっきりしたことは言えないが親戚でも多分ないだろう。勿論ご主人様とメイドの関係でもなければ家臣と御館様の関係でもない」
「中々勿体ぶるな。じゃあなんだっていうんだ?」
「それを説明するとなると、生い立ちから説明しないといけなくなる。ちょっと長いし面白い話じゃないが、聞くか?」
少しだけ真剣味を含んだ眼差しを意外に感じながらもカイはうなづいた。
「そう・・・・・・まあおれたち三人は簡単に言えば幼馴染だ。家が近くて親同士も仲がいい。だから、物心がつく前から一緒にいることになるな」
緑崩はここで一旦話を区切った。カイが何も言わずに聞いているのを見て話を続けた。
「璃緒の家庭はちょっと複雑でな。あ、そうだこっちの世界って妾っているのか?」
「金持ちの側室のことか?」
「そうそう。そうか、やっぱその制度があるのか。なら話が早い。璃緒の母親が、その、資産家の愛人でな。その資産家との間にできた子が璃緒。家を一件与えられてそこで母子二人で住んでたんだ。そんな家族関係だからあいつはそれで悪く言われたこともあったけどな」
「そうか。そういうところはそちらもこちらも変らないな」
「どこでも人間のやることなんて同じだよ。まあうちと瑠奈のとこはおばさん・・・璃緒の母と親しかったが。父親のほうは会ったことすらないけどね。それで、生まれたときから今までの付き合いだ。小さい時は外で遊ぶ時は大体一緒だったな」
「なんだ、それだけか?」
「いや、璃緒のおばさんが12の時に亡くなったんだ。おばさんの両親は亡くなってたし、兄弟姉妹もいない。遠い親戚がいることはいたが、不況だということもあり預かるという人がいなかった。そもそも疎遠な親戚のところに行くのを璃緒が嫌がっていたというのもあるんだが。父親のほうは愛人の娘なんて公にできない存在を家に住まわせるわけにはいかないんだろうが璃緒を引き取らないように話をもっていこうとしてた」
そこで一旦話すのをやめて水を口に含む。これは客が自由に飲めるように店側が置いたものだ。
「おばさんの親戚も父親も璃緒の面倒は見たくない。両サイドが集まって話したんだが押し付け合いになったらしくてな。それで璃緒が『一人でこの家に住むからいい』って言ったらしい」
「それはまた12歳がよく言ったな」
「この時からしっかりしてるというか、ちゃっかり家の名義を璃緒の名義に書き換えてもらい、養育費に関しても父親から出してもらうように話をつけたらしい」
「その父親も自分の子供くらい面倒見ろって言いたいけどな」
「それはおれも思うが、正妻さんが嫌がっていたらしい。まあ愛人がいることすら気分のいいものじゃないだろうしそれは仕方ないが。まあとにかくそうして璃緒は一人で家に住むようになったと」
「それが、お前たちとの関係にどうつながるんだ?」
「まあ子供が一人で暮らしていけるわけないからな。最初はうちに来たり瑠奈の家に行ったりしてたんだ。それで高校・・・・・・15,6になって一人で生活していけるようになったくらいから、逆におれと瑠奈が璃緒の家に行くことにしたんだ」
「はあ?」
「瑠奈が『璃緒ちゃん家に一人じゃ寂しいでしょ~』とか言い出してな。そんでちょくちょく行くようになったんだが、結局そのまま居ついてしまったのだ」
「そ、そうか」
「まあそんなこんなで単に幼馴染というよりかは家族に近い感覚になったわけだ。璃緒だけ天涯孤独なのは可哀想だっていうのを建前に、ただ楽しいから一緒にいるだけだな。うちの親も瑠奈の親もよく璃緒の家で暮らすことを許可したものだ」
「お前と瑠奈の親も大概だな」
そうして二人は向き合って笑った。
カイは緑崩に尋ねた。
「どうと言われてもなぁ・・・・・・(汗)」
「言いたくないか?」
「いや、そうじゃないけど・・・・・・んー、なら、カイはどういう関係に見える?」
「それがわからんから聞いてるんだが。・・・兄妹じゃないだろうし、だからといって単なる友人というには関係が深いと感じる。主従関係もなさそうだ。あるとすれば親戚か、だがそうでもなさそうだ」
カイは自分の推測を口にした。あれこれと推理はしたものの、結局どの結論にも違和感を感じた。だからこうして答えを聞こうとしたのだ。
「ふむぅ。カイの推測はほぼ正解だ。家族じゃない。はっきりしたことは言えないが親戚でも多分ないだろう。勿論ご主人様とメイドの関係でもなければ家臣と御館様の関係でもない」
「中々勿体ぶるな。じゃあなんだっていうんだ?」
「それを説明するとなると、生い立ちから説明しないといけなくなる。ちょっと長いし面白い話じゃないが、聞くか?」
少しだけ真剣味を含んだ眼差しを意外に感じながらもカイはうなづいた。
「そう・・・・・・まあおれたち三人は簡単に言えば幼馴染だ。家が近くて親同士も仲がいい。だから、物心がつく前から一緒にいることになるな」
緑崩はここで一旦話を区切った。カイが何も言わずに聞いているのを見て話を続けた。
「璃緒の家庭はちょっと複雑でな。あ、そうだこっちの世界って妾っているのか?」
「金持ちの側室のことか?」
「そうそう。そうか、やっぱその制度があるのか。なら話が早い。璃緒の母親が、その、資産家の愛人でな。その資産家との間にできた子が璃緒。家を一件与えられてそこで母子二人で住んでたんだ。そんな家族関係だからあいつはそれで悪く言われたこともあったけどな」
「そうか。そういうところはそちらもこちらも変らないな」
「どこでも人間のやることなんて同じだよ。まあうちと瑠奈のとこはおばさん・・・璃緒の母と親しかったが。父親のほうは会ったことすらないけどね。それで、生まれたときから今までの付き合いだ。小さい時は外で遊ぶ時は大体一緒だったな」
「なんだ、それだけか?」
「いや、璃緒のおばさんが12の時に亡くなったんだ。おばさんの両親は亡くなってたし、兄弟姉妹もいない。遠い親戚がいることはいたが、不況だということもあり預かるという人がいなかった。そもそも疎遠な親戚のところに行くのを璃緒が嫌がっていたというのもあるんだが。父親のほうは愛人の娘なんて公にできない存在を家に住まわせるわけにはいかないんだろうが璃緒を引き取らないように話をもっていこうとしてた」
そこで一旦話すのをやめて水を口に含む。これは客が自由に飲めるように店側が置いたものだ。
「おばさんの親戚も父親も璃緒の面倒は見たくない。両サイドが集まって話したんだが押し付け合いになったらしくてな。それで璃緒が『一人でこの家に住むからいい』って言ったらしい」
「それはまた12歳がよく言ったな」
「この時からしっかりしてるというか、ちゃっかり家の名義を璃緒の名義に書き換えてもらい、養育費に関しても父親から出してもらうように話をつけたらしい」
「その父親も自分の子供くらい面倒見ろって言いたいけどな」
「それはおれも思うが、正妻さんが嫌がっていたらしい。まあ愛人がいることすら気分のいいものじゃないだろうしそれは仕方ないが。まあとにかくそうして璃緒は一人で家に住むようになったと」
「それが、お前たちとの関係にどうつながるんだ?」
「まあ子供が一人で暮らしていけるわけないからな。最初はうちに来たり瑠奈の家に行ったりしてたんだ。それで高校・・・・・・15,6になって一人で生活していけるようになったくらいから、逆におれと瑠奈が璃緒の家に行くことにしたんだ」
「はあ?」
「瑠奈が『璃緒ちゃん家に一人じゃ寂しいでしょ~』とか言い出してな。そんでちょくちょく行くようになったんだが、結局そのまま居ついてしまったのだ」
「そ、そうか」
「まあそんなこんなで単に幼馴染というよりかは家族に近い感覚になったわけだ。璃緒だけ天涯孤独なのは可哀想だっていうのを建前に、ただ楽しいから一緒にいるだけだな。うちの親も瑠奈の親もよく璃緒の家で暮らすことを許可したものだ」
「お前と瑠奈の親も大概だな」
そうして二人は向き合って笑った。
「そういやさっきの話だが・・・」
ロビーのソファに寝転んだ緑崩が言った。
「ん?なんの話だ?」
対面のソファに座りカイが聞く。
「うむ、さっき生まれた国って言ってたよな。どこ?」
「ああ、それか・・・・・・」
「あー。まあ別に無理に話さなくてもいいよ。時間があるついでに聞いてみただけだし」
ああ、とうなづきなくカイ。
しばし間をあけてからカイが喋りだした。
「俺が生まれたのはエジンベアという国なんだが、知ってるか?」
「ああ、あそこか。詳しくは知らないが、まあ閉鎖的になりそうな国だろうとは思う」
いなかもの、と入れてくれない兵士がいた。ランシールできえさりそうを買っていくなんて誰が思いつくものかと思った。しかし、瑠奈にその後聞いたところ、彼女はあっさりとかわきのつぼを手に入れたらしい。そんな昔の出来事を緑崩は思い出した。
「そうか、知ってるか。そんな国だ」
「なるほど。カイが国を好きじゃないということはわかった」
「どういうことだ?」
「普通出身国のことを『俺の国』とか『故郷』とか言うものだろうが、わざわざ『俺の生まれた国』って言ったことかな。育ったところが別というわけでもないのに、こんな言い方は普通しないだろ」
「ほう。変なところを見ているんだな」
「まあ、おれもそうだからな」
「緑崩も祖国嫌いか?」
「いや、おれの場合国ではないんだがな」
緑崩の場合、それは国ではなく学校である。こちらに来てからは話にすらのぼらないが、普段から緑崩は「おれの大学」とは言わない。大学名で呼ぶか「行っている大学」という。この違いを緑崩自身は強く意識して使っているが、それに気付くものはいない。大学が嫌いだと知っている璃緒と瑠奈ですら気付かない微妙な言い回しの違いである。
「そうか。そっちも大変なんだな。・・・・・・ところで、一つ、聞いてもいいか?」
思案じみた顔でカイは尋ねた。
「ん?内容次第では答えよう」
緑崩はわざと尊大な口調で応じる
「そう言われたほうが聞きやすくて助かる。お前たちはどういう関係だ?」
ロビーのソファに寝転んだ緑崩が言った。
「ん?なんの話だ?」
対面のソファに座りカイが聞く。
「うむ、さっき生まれた国って言ってたよな。どこ?」
「ああ、それか・・・・・・」
「あー。まあ別に無理に話さなくてもいいよ。時間があるついでに聞いてみただけだし」
ああ、とうなづきなくカイ。
しばし間をあけてからカイが喋りだした。
「俺が生まれたのはエジンベアという国なんだが、知ってるか?」
「ああ、あそこか。詳しくは知らないが、まあ閉鎖的になりそうな国だろうとは思う」
いなかもの、と入れてくれない兵士がいた。ランシールできえさりそうを買っていくなんて誰が思いつくものかと思った。しかし、瑠奈にその後聞いたところ、彼女はあっさりとかわきのつぼを手に入れたらしい。そんな昔の出来事を緑崩は思い出した。
「そうか、知ってるか。そんな国だ」
「なるほど。カイが国を好きじゃないということはわかった」
「どういうことだ?」
「普通出身国のことを『俺の国』とか『故郷』とか言うものだろうが、わざわざ『俺の生まれた国』って言ったことかな。育ったところが別というわけでもないのに、こんな言い方は普通しないだろ」
「ほう。変なところを見ているんだな」
「まあ、おれもそうだからな」
「緑崩も祖国嫌いか?」
「いや、おれの場合国ではないんだがな」
緑崩の場合、それは国ではなく学校である。こちらに来てからは話にすらのぼらないが、普段から緑崩は「おれの大学」とは言わない。大学名で呼ぶか「行っている大学」という。この違いを緑崩自身は強く意識して使っているが、それに気付くものはいない。大学が嫌いだと知っている璃緒と瑠奈ですら気付かない微妙な言い回しの違いである。
「そうか。そっちも大変なんだな。・・・・・・ところで、一つ、聞いてもいいか?」
思案じみた顔でカイは尋ねた。
「ん?内容次第では答えよう」
緑崩はわざと尊大な口調で応じる
「そう言われたほうが聞きやすくて助かる。お前たちはどういう関係だ?」
ロマリア王国。ロマリア半島中央部に位置する王政国家。海の幸に恵まれ、塩の生産も盛んな国である。アッサラームとポルトガをつなぐ中継地点として、多くの商人が集まり商業都市となった。税制面で商人たちを優遇したため、多くのポルトガとアッサラームの商人たちが集まり栄華を誇った。
「着いた~」
ロマリアに着くなり瑠奈がため息混じりに言った。
朝にアリアハンを出発したが、ロマリアに着いた頃にはもう既に太陽が沈みきった後だった。ようやく着いたのはいいが、夜なので閉門しているのではと四人は危惧したが、夜でも門番が立っていて通用門を開けてくれた。
宿屋に入ると、夜にもかかわらず宿泊が了承された。しかし、空き部屋は一つしかないらしく、四人で一つの部屋に泊まることになった。
「無事にアリアハン脱出できてよかったな」
ベッドに腰をおろしながらカイが言う。
「そうね、ちょっと危ない場面もあったけど、なんとか誰も死なずにここまで来れてよかったわ」
「おれがメラ二発受けたことですね、わかります」
「まあまあそう気を落とさずに~」
「命さえ落とさなければそれでいいけどね」
「うぐぅ」
「ははは。・・・・・・それにしてもよく急造パーティでここまで来れたものだ。まさかまたアリアハンを出られるとは思ってなかったな」
「そうか?」
「ああ、いざないの洞くつは壁によって封じられてるし、海を渡れるとは思えなかったからな」
魔物が少なかった頃は頻繁に船が各国を往復していたし、旅行客や商人なども多数いた。しかし、現在は魔物が増え、危険が増したため定期船は殆ど廃止され、陸路での旅をするものも激減した。魔王軍による離間工作などにより外交関係が各国冷え込み、鎖国政策を採る国家が増えたこともこれに拍車をかけた。
「じゃあ、ロマリアに来たこととかもあるの~?」
「何度かはな。俺が生まれた国は元々閉鎖的な国だったから、外国との交流や旅行というものは少なかったがな。だから俺みたいに旅に出るやつは珍しいんだぜ。・・・・・・今日はみなお疲れ様だったな。特に瑠奈が疲れてるようだし、そろそろ寝ようか」
「すや~」
「ちょっと瑠奈、そんな格好で寝ちゃダメ!ちゃんと着替えなさい」
返事がない。ただのしかばねのように眠っている。
「仕方ないわねぇ・・・・・・ちょっと二人とも、今からこれ着替えされるから出ててくれない?」
「ほいほい。ザメハがあればこんな時に使うと便利そうだな」
「ああ、ロビーにいるから終わったら呼びにきてくれ」
カイと緑崩は追い出されてしまった。
「着いた~」
ロマリアに着くなり瑠奈がため息混じりに言った。
朝にアリアハンを出発したが、ロマリアに着いた頃にはもう既に太陽が沈みきった後だった。ようやく着いたのはいいが、夜なので閉門しているのではと四人は危惧したが、夜でも門番が立っていて通用門を開けてくれた。
宿屋に入ると、夜にもかかわらず宿泊が了承された。しかし、空き部屋は一つしかないらしく、四人で一つの部屋に泊まることになった。
「無事にアリアハン脱出できてよかったな」
ベッドに腰をおろしながらカイが言う。
「そうね、ちょっと危ない場面もあったけど、なんとか誰も死なずにここまで来れてよかったわ」
「おれがメラ二発受けたことですね、わかります」
「まあまあそう気を落とさずに~」
「命さえ落とさなければそれでいいけどね」
「うぐぅ」
「ははは。・・・・・・それにしてもよく急造パーティでここまで来れたものだ。まさかまたアリアハンを出られるとは思ってなかったな」
「そうか?」
「ああ、いざないの洞くつは壁によって封じられてるし、海を渡れるとは思えなかったからな」
魔物が少なかった頃は頻繁に船が各国を往復していたし、旅行客や商人なども多数いた。しかし、現在は魔物が増え、危険が増したため定期船は殆ど廃止され、陸路での旅をするものも激減した。魔王軍による離間工作などにより外交関係が各国冷え込み、鎖国政策を採る国家が増えたこともこれに拍車をかけた。
「じゃあ、ロマリアに来たこととかもあるの~?」
「何度かはな。俺が生まれた国は元々閉鎖的な国だったから、外国との交流や旅行というものは少なかったがな。だから俺みたいに旅に出るやつは珍しいんだぜ。・・・・・・今日はみなお疲れ様だったな。特に瑠奈が疲れてるようだし、そろそろ寝ようか」
「すや~」
「ちょっと瑠奈、そんな格好で寝ちゃダメ!ちゃんと着替えなさい」
返事がない。ただのしかばねのように眠っている。
「仕方ないわねぇ・・・・・・ちょっと二人とも、今からこれ着替えされるから出ててくれない?」
「ほいほい。ザメハがあればこんな時に使うと便利そうだな」
「ああ、ロビーにいるから終わったら呼びにきてくれ」
カイと緑崩は追い出されてしまった。
「やっと着いた・・・」
四人はようやく下り階段を見つけた。疲労感はみなが感じているものの、階段までたどり着いた喜びと達成感がそれに勝っていた。
洋々と階段を下る。道が三つに分かれている。
「ここ、どっち行く?」
「左だよ~」
「よく知ってるな」
「いや待て瑠奈、それはプレイヤー視点だ」
「あ、やっぱり右~」
右の道を進むと扉があるので盗賊の鍵(コピー)で開錠する。更に進むと旅の扉があった。
「ようやく着いたな」
「ええ、やっと」
互いに労をねぎらう。ひとしきり済んだところで璃緒が出発の合図をする。
「それじゃ、新大陸に向けて―」
「出発ー!」