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いわゆる一つの萌え要素の為の場所
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 居間には今、一人の男がいる。今ここにいるのはこの男だけだ。言うまでもないが、緑崩である。
 「璃緒は草野球、瑠奈はコミケの準備でいないしやることがないなぁ」
 もちろん勉強であったり授業の準備であったりやることは沢山あるはずなのだが、そんなことを呟いていた。
 「んーヒマだしっと・・・・・・」
 だからお前にはやることがあると何度・・・・・・という神視点のツッコミには当然耳を傾けることはなく、パソコンを立ち上げた。
 一通りのサイト巡回やニコニコチェックなどを済ませるとおもむろにワードを起動させた。
 「銀行強盗ねぇ・・・・・・そもそもほっちゃんのカバンと強盗のカバンが同じなんてちょっといやなだけどな・・・」
 いちいち独り言が多い男である。しかし、そんな言葉とは裏腹に書くペースは早い。もっとも、タイプの遅い緑崩のなかでは、だが。

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 「書いてあることだけれども、要約するとこうなる」と言い、緑崩が図に書いて示した

紗響の間  「隣の人はずっと部屋にいた」
砂恵の間  「私はずっと部屋で寝ていた」
沙吟の間  空き部屋
嵯金の間  空き部屋
桜の間    被害者の部屋
羽琴の間  「私はやってない」
兎銀の間  空き部屋
有敬の間  「隣と部屋の前で話していた。犯人はうちより西の部屋の人だろう」
雨峡の間  「隣と話していたが、盗みに行く時間があったかどうかはわからない」

 部屋はドアが北向きで、雨峡の間が建物の端である。紗響の間の西側がフロントで、上記の九部屋の反対にも九部屋あり、建物全体がフロントで線対称になっている。そちらに三人と探偵の部屋がある。
 「それに、『誰かが嘘をついている。一人だ。一人だけ嘘をついているはずだ』と書いてあるな」緑崩がため息まじりに言う。
 「誰かしらね?う~ん・・・あっ」璃緒が顔を上げた。
 「ちょっと被害者のところに寄ってから」そこで言葉を切った。
 「犯人のところへ行くわよ」

 冬だし温泉に行こうということで、とある温泉宿に行った三人。そこで盗難事件に遭遇した。それまでの話は置いといてその話を聞いた後からの話をしよう。
 「カバンが盗まれたって?」
 璃緒が驚いたように言った。これは少し前に探偵を自称する男から瑠奈が聞いてきたことである。その時璃緒と緑崩は今いる部屋にいたので知らなかったことだ。それを聞いた緑崩が言う。
 「んじゃ行ってみて話しを聞いてみるか。情報がないと不安だし」
 「そうね。盗られて困るものだけもって出ましょうか」
 瑠奈の案内で実際に被害に遭った部屋の前まで行くと、男が立っていた。細身の体で顔に髭をたくわえ、旅館の浴衣を着ている。その男に瑠奈が歩み寄り声をかけた。
 「探偵さん、なにかわかりましたか?」
 「ああ、他の客に話を聞いたところだ。他にいたのは五人。ちなみに被害者は旅行に来たという女性二人組だ。幸い金庫に入れておいた財布などは無事だったらしい」
 「カバンが盗まれただけってことですね?下着などが入っていたのですか?」璃緒が丁寧な口調で質問した。
 「いや、衣類は別のカバンに入れてあるそうで、そちらは無事らしい。盗まれたカバンには館内で使うものだけが入っていたらしい」
 「ちなみにあなたはなんでいるんですか?他の調査ですか?」緑崩が問う。
 「こういう仕事だからそう易々とは教えられないがが、まあ別件だ」聞き様によっては疑ってるようにもとれる質問にも語気や表情を変えずに返答する。
 「他のお客さんはなんて言ってました?」緑崩がさらに聞く。
 「ああ、ちょっと待ってくれ。ええっと・・・・・・先に部屋を言おうか。他の五人は女性二名男性三名。一人の女性が一番端の紗響の間で、もう一人は羽琴の間。被害者が真ん中の桜の間。男性三人はそれぞれ一人でそれぞれ砂恵の間、有敬の間、雨峡の間だ。ここまではいいかな?」
 「はい、大丈夫です」
 「よし、じゃあ聞いてきた話だが、コピーしてもらってくるから君たちにあげよう。推理でもして犯人を見つけてくれ。わたしは忙しいのでな」
 「はい、じゃあお仕事頑張ってください」

緑崩:「そういやそろそろ五輪予選が始まるんだっけ?」
璃緒:「そうらしいわね。あまり興味わかないけど」
緑崩:「まああのメンバー揃えて負けたら指揮官の責任だな」
璃緒:「でも国際ルールには驚いたわね。あれでボークにならないんじゃ走れないじゃない」
緑崩:「足が完全にクロスしてても、足がホームに向かってても、ボークにならないってのはボークって言葉を知らないんじゃないかって思えるね。あれで選手が感覚を崩さないか心配」
璃緒:「となると送るか打つかの二択になるわね。私は勝ち負けよりも来年に支障なく帰ってくれればそれでいいけど」
緑崩:「だな。どうせメジャーは出ないんだし、オフはきっちり休んで欲しい。それにもともとノンプロが目立てる格好の舞台だったんだから、わざわざ一線級の選手を連れてく必要もないんだよ。出すなら新人までだって思うね」
璃緒:「うんうん」
緑崩:「ところで、代表では井端よりも川崎のほうが上って思われてるみたいだね。ほかにも球児じゃなくて上原が抑えみたいだし。よくわからん」
璃緒:「上原は先発にも使えるようにしたほうがいい。中継ぎ経験ありの岩瀬・藤川に中継ぎをやらせたいのはわかるけど」
緑崩:「どっちにしろ、あまり盛り上がりそうもないなぁ。ペナントのほうが面白いでしょ」
璃緒:「話をしだして結論がそれか」
璃緒:「よっ、と。ん・・・しょ、ほいっ」
瑠奈:「よいしょ、よいしょ」
緑崩:「えいやーとっとーえいやーとっとー」
璃緒:「そこふざけた掛け声しない!」
瑠奈:「えっと~これはこっち、これは・・・・・・」
璃緒:「瑠奈!それはそっちじゃない!あっちよ」
瑠奈:「え?は、はい」
璃緒:「あ、緑崩楽しない」
緑崩:「いや、一遍に持ってったほうが時間短縮・・・んっ・・・重いな・・・はぁぁっ!・・・うっ、腰が・・・・・・」
璃緒:「ほら言わんこっちゃない。少なめに持ってすばやく運んだほうが早いのよ」
瑠奈:「お~さすが璃緒ちゃん」
璃緒:「あー瑠奈それはもうちょい上で。・・・・・・これは・・・ここよね」
瑠奈:「これくらい~?」
璃緒:「うん、そんな感じ。・・・ふー大体このくらいでいいかしら。よし、終わったわ」
瑠奈:「う~ん、疲れたね~」
璃緒:「そうね、でも三人でやれば案外早く済むものね」
緑崩:「思いもかけないトラブルが多々あったが、まあ無事に模様替えが済んでよかった」
璃緒:「誰かさんが腰痛めたとか?」
緑崩:「う・・・。他にもどうするかなかなか決まらなかったり、いいデザインがなかなか思いつかなかったり」
璃緒:「そうね、でもまあ無事終わったんだからいいでしょ」
瑠奈:「終わりよければ全てよし、だね~」
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